スマホの動画視聴、一番人気は音楽やアーティストのPV、一般ユーザーの動画も好評

2014/04/17 15:30

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スマートフォンの普及に伴い、そのスマホを用いた動画視聴は日常生活における気軽なエンタメコンテンツとしての地位を確立しつつある。テレビや雑誌、新聞とは異なる性質を持つスマホ経由の動画は、どのような内容のものが人気なのだろうか。博報堂DYホールディングスが2014年4月11日に発表した、スマホユーザーの動画視聴に関する調査結果を基に、人気動画のジャンルについてチェックを入れていく(【発表リリース:博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」第9回分析結果発表】)。



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今調査は2014年2月21日から23日にわたり高校生から60代のスマートフォンユーザーに対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。

今調査対象母集団においては68.3%の人が2か月から3か月に1度以上の割合でストリーミング動画(オンラインでデータを受信して再生する動画)を視聴している。つまり実質的に「スマホで動画」を活用していることになる。それらの人達にどのようなジャンルの動画を観ているかについて複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ スマホでストリーミング動画にて視聴する内容(複数回答、スマホユーザー、スマホで2-3か月に1回以上ストリーミング動画を視聴する人限定)
↑ スマホでストリーミング動画にて視聴する内容(複数回答、スマホユーザー、スマホで2-3か月に1回以上ストリーミング動画を視聴する人限定)

最多回答項目は「音楽・アーティストのPV(プロモーションビデオ)やライブ映像」で4割強。CDや音源と同じような感覚で動画を視聴していることになる。昨今では事務所や企業単位で専用のチャンネルを用意し、所属アーティストの新譜やコンサートのPVを動画で提供するところも増えており、需要に応えた形となる(あるいは逆に、提供が増えてコンテンツが整備されたからこそ、利用率が高いという面もあろう)。

次いで多いのは「一般ユーザーの動画」で21.6%。昨今ではテレビ局のように定期的に動画を製作して配信する個人ユーザーやグループも増えており、文章や絵の披露に動画が加わり、ますます個人による創作コンテンツの展開が多様化している感はある。数が増えれば良い質の動画も増え、視聴する人も増える次第である。

興味深いのは一般のテレビや雑誌のような既存媒体ならば、さほど高い注目率にはならないであろう「趣味や生活に関する情報」が18.0%と比較的高率で視聴されていること。動画ならば分かりやすい、しかも気軽に確認できるのが幸いしていると考えられる。

これを媒体別、具体的にはパソコン(PC)とタブレットそれぞれにおいて、各機種で動画を視聴している人を対象に同様の質問をした結果が次のグラフ。世間一般における個々の機種保有者全体ではなく、スマートフォンを所有していることが前提であることに注意が必要。世の中にはスマホを持たずにパソコンやタブレット機を持つ人も多数いるのだから。

↑ ストリーミング動画にて視聴する内容(複数回答、スマホユーザー、各機種で2-3か月に1回以上ストリーミング動画を視聴する人限定)
↑ ストリーミング動画にて視聴する内容(複数回答、スマホユーザー、各機種で2-3か月に1回以上ストリーミング動画を視聴する人限定)

ざっと見でわかるのは、「スマホは『音楽・アーティストのPVやライブ』以外はPC・タブレット機と比べて動画視聴性向がどのジャンルでも低い」「とりわけ『アニメ』や『ドラマ・映画』では大きな差が開いている」「パソコンとタブレット機との動画視聴性向は近しいものがある」といった特性。「スマホは『音楽・アーティストのPVやライブ』以外は低め」なのは、上記で触れた通り、このタイプの動画が多分に音楽CD的に使われているので、音を聴くのがメインであり、再生時の表示面積はさほど気にならないこと、「『アニメ』や『ドラマ・映画』ではスマホとパソコンなどとの間に大きな差」は、長時間の視聴で画像がメインとなるために大型の画像が使えるパソコンなどで高い値が出てしまうことなどの理由が考えられる。あるいはバッテリーの問題もあろう(動画再生は消費電力も大きい)。

詳しくは別の機会で触れるが、スマートフォンの動画視聴者は1機会当たりの動画視聴時間が短い。じっくりと観るタイプの動画はあまり求めず、ぱっと観のものが好かれる結果が表れているといえよう。


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