高校生は実質パソコンより携帯が上…小中高校生のインターネット利用状況(2014年)(最新)
2014/04/12 14:00
今や日常生活に欠かせない存在のインターネット。そのネットとの接触はすでに幼少時から始まっている人も多い。学校に上がれば友達とのコミュニケーションのツールとして、あるいは話のネタとして使われることも増えるため、子供からパソコンや携帯電話のような利用機器をねだられる保護者の事例も増えてくる。それでは子供達の間ではどの程度までインターネットが使われているのだろうか。内閣府が2014年3月31日付で発表した【2013年度版 青少年のインターネット利用環境実態調査】の内容を基に、その実態を探っていくことにする。
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高校生では携帯経由のネットアクセスの方が多い
今件における「インターネットの利用」とはメールやブラウザの利用に留まらず、インターネットに接続するゲーム、動画などのダウンロード、買い物、さらにはソーシャルメディアやチャットの利用まで含めてある。要はインターネットに接続しなければ使えない何らのサービスを利用している人が該当する。
まずはパソコンと携帯電話(一般携帯電話とスマートフォン双方)それぞれの保有者における、インターネットの利用状況。
↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2013年、学校種類・男女別、各媒体利用・所有者限定)
小学生の携帯電話によるネット利用率が4割台に留まっているが、これは多分に防犯用・連絡用として携帯電話を持たせていることによるもの。それ以外はパソコン・携帯電話共に8割から9割、特にパソコンは9割強の値を示している。パソコンや携帯電話が現在においては事実上、インターネットアクセス端末と同義であることを再認識させる結果といえる。
これを保有者・利用者限定による比率では無く、各属性全体の比率を算出した結果が次のグラフ。例えば中学生男子のパソコン部分の値は74.9%なので、中学生男子「全体」のほぼ3/4がパソコン経由でインターネットにアクセスしている計算になる。パソコン利用者の3/4では無い。
↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2013年、学校種類・男女別、各属性非保有者も含めた全体比)
パソコンはどの属性でもほぼ横ばいで7割台を維持している。これはパソコン利用者のほとんどすべてがインターネットにアクセスしていることに加え、パソコンの利用者も一定率を維持しているからに他ならない。一方で携帯電話の所有率は学校種類で大きな違いを見せ、高年齢ほど高い値を示すため、結果として学校種類別で差異が大きなものとなる。
男女別では小中学生において女子の方がアクセス率はやや高くなるが、高校生ではほぼ変わらない値に達する。また高校生にいたっては、パソコン経由よりも、携帯経由でのアクセス率の方が高くなる。高校生にとってインターネットへのアクセスは、携帯電話経由のアクセスと同義語とも表現できる。
前年からの変化と機種別変化で情勢動向を探る
続いて別の切り口で各値を確認し、今の子供達におけるインターネットへのアクセスに関する動向を垣間見ることにする。まずは機種別の利用率。これは保有者限定だが、当然のこどくスマートフォン利用者の方がインターネットへのアクセス率は高い。見方を変えれば一般携帯電話(従来型携帯電話)でも5割前後がアクセスできる状況の方が驚くべきことになのかもしれない。
↑ 携帯におけるインターネット利用状況(機種別、2013年)(保有者限定)
スマートフォンの普及により、機動力の高いインターネットアクセス環境が大いに広まったとの話は良く見聞きするが、その実態が改めて裏付けられたことになる。子供達の間では、スマホ持ちのほぼ全員がインターネットへアクセスしていることになる。子供向けなど機能限定機種でも94.1%と高い値を示している。
一方、一般携帯電話では全体で56.7%、子供向けなどの機能限定機種では42.5%にまでその値を落とすことになる。一般携帯電話におけるネット遮断の思惑は、それなりに効果を発揮しているようだ。
最後は前回年、つまり2012年時点の値との比較。子供達におけるインターネットの窓口の移り変わりの気配をほんの少しだが確認できる。
↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2012年-2013年)
パソコンが高め、携帯電話が低めな状況に変わりはない。しかし保有者に限定しても、各属性の総数を算出しても、パソコンによるネット利用者率は減少し、携帯電話のそれは増えている。携帯電話(実質的にスマートフォン)では保有率の上昇も合わせて進行しており、総数における上昇率が著しいものとなっているのが分かる。その分、パソコンの下落も決して無視できるものでは無い。
先行別途記事でも解説しているが、子供達にとっては特に、スマートフォンやタブレットはハードルが低いインターネットへのアクセスツールとの立場を確固なものとし、普及率は上昇の一途をたどっている。現時点では全体値はまだまだパソコンの方が上だが、高校生に限ればすでにインターネットへのアクセス率はパソコン・携帯間で逆転しており、早ければ数年で中学でも同じ現象が起きる可能性がある。
少々昔の笑い話として、電気店に足を運んだ人がパソコンを指して「インターネットを一つ」と注文するというものがあった。そう遠くない将来、スマートフォンなりタブレットに向けて、同じような言葉が交わされる時がやってくるのかもしれない。
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