インターネットの普及で人々の関係はどのような変化を遂げたか、アメリカの考え方
2014/03/04 14:30


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今調査は2014年1月9日から12日にかけて、アメリカ合衆国内に居住する18歳以上の人に対し、電話経由でのインタビュー形式で行われたもの。有効回答数は1006人。そのうち固定電話利用者は502人、携帯電話は504人(固定電話を持たない人は288人)。国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。
パソコンにしてもスマートフォンにしてもタブレット機にしても、それらを介してアクセスするインターネットで出来る事があまりにも多すぎ、魅力的なため、つい長い時間を費やしてしまうもの。必然的に家族間、友人間との直接の対話の機会も減ってしまう。一方でオンラインを介して家族や友達との意思疎通が容易になり、より深い間柄になる事例も少なくない。特にSMSやソーシャルメディア、チャット系ツールを用い、家族のコミュニケーションが促進されたという話は良く見聞きする。
それではインターネットを介した交流で、友達や家族の絆はどのように変化したと認識されているのだろうか。

↑ インターネットを介した交流で友達や家族の絆は…(2014年1月、米、インターネット利用者限定)
意外に思う人もいるかもしれないが、インターネットで絆が深まったとの意見は2/3。弱まったとする意見は2割にも届かない。ネットを介した交流には大勢として肯定派が占めているとの認識で問題はない。
インターネットでコミュニケーションサービスを利用していると、家族や友達だけでなく、未知の不特定多数の人との交流も当然ありうる。それらの人達とのやりとりの中で、相手の挙動の傾向について、どのような感想を抱いているだろうか。大雑把に表現すると「ネット上では性善説と性悪説、どちらを信じるのがより正しいか」というところか。

↑ 自分の経験の範囲内でネット上の人達は…(2014年1月、米、インターネット利用者限定)
「ネット上の人達は大体親切である」との認識が3/4を占め、人間不信に陥りかねない「大体不親切」とする意見は13%でしかない。少数に尋ねた結果ならサンプルの偏りによる可能性もあるが、今調査ではまとまった数の調査対象母集団であることから、イレギュラーリスクは低い。アメリカの人達の多くは、インターネット上で交流できる人たちの多くは親切であるとの認識にあるようだ。
友達や家族との絆が強まり、皆が親切な対応をしてくれる。これらの認識だけでもある程度予想はできるが、インターネットそのものが社会などに与える影響に関して、良いか悪いかを聞いた結果が次のグラフ。社会全体、そして回答者自身の双方を対象として確認している。

↑ ネットは社会全体や自分自身にとって良いものか否か(2014年1月、米、インターネット利用者限定)
社会全体に与えた影響はややネガティブ面が強いものの、それでも3/4は「社会全体にプラス」と答えている。そして自分自身に限れば9割が肯定派。否定派は6%に過ぎない。
仕事でインターネットを使わざるを得ない、使うことで大いに作業効率が上がったなど、仕事とインターネットの深いかかわりをバックボーンにしている人も少なくない。そのため仕事絡みを前提に回答している人もいる。それも含めてアメリカの大人にとって「ネットは良いものだ。社会全体も自分自身にもプラスとなる」との認識と見て問題はなかろう。
今後スマートフォンの普及がさらに進み、日常生活のより深い部分にまでインターネットが浸透するに連れ、さまざまメリット、弊害も合わせ、人のインターネットに抱く心境は小さからぬ変化を生じるものと考えられる。
それは実態としてどのように変化していくのか。さらに良い点を伸ばしていくのか、それとも悪い点が強調されていくのか。注意深く見極めていきたい。
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