自宅以外の朝食、どこでとる? 一人暮らしは4割近くが「学校や職場を利用」
2014/03/14 14:30
朝食を作るのが面倒、作る時間が無い、作ってもらえる人がいない、起きた直後は食欲がわかない。多様な理由で自宅で朝食を摂らない場合がある。その時、朝食を抜かずに食するとしたら、どのような場所が選ばれるだろうか。昨今ではファストフードをはじめ外食産業が朝食需要の取り込みに注力しているため、外食店の朝食戦略との絡みも合わせ、気になる話ではある。今回はパルシステム生活協同組合連合会が2014年2月26日に発表した、朝食に関する調査結果の中から関連する項目の調査結果をもとに、その現状を確認していくことにする(【発表リリース:朝食に関する調査2014】)。
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一人暮らしは多種多様な場所を活用
今調査は2014年1月15日から17日に渡って、携帯電話を使ったインターネット経由で、週に1日以上朝食を食べる15歳から59歳の男女に対して行われている。有効回答数は1000件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。調査機関はネットエイジア。
朝食は摂りたいが作る・食べる時間が無い、起きたばかりは身体が本調子でなく、時間をある程度あけないと食欲がわかないものの、それまで自宅で待機するほど時間的余裕がない。理由はさまざまだが、自宅以外で朝食を摂る機会が生じる場合は少なくない。そこで自宅以外で朝食に利用している場所を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。「学校や職場」とする意見がもっとも多く、3割近くに達している。
↑ 自宅以外で朝食に利用している場所(複数回答)
時間の調整に失敗して朝食を摂る時間が無くなったとしても、少なくとも学校や職場にたどりついていれば、遅刻は避けられる。下手に寄り道をする形での朝食よりは、よっぽど安心できる。また職場ならば朝食を摂りながら自分の端末でメールチェックなどを行うことで、時間の節約もできる。
次いで多いのは「カフェ・喫茶店」、ほぼ同率で「ファストフード」。いわゆるモーニングメニューというもので、比較的安価に温かい軽食を楽しめるのが特徴。また片づけをしなくても済むのもポイントが高い。同じ外食業界の店舗としては「ファミレス」「牛丼店」なども挙がっているが、「カフェ・喫茶店」「ファストフード」と比べると利用率は低い。
他方、自宅以外で朝食は摂らないとする意見も半数近く居る。ライフスタイル上のこだわりもあり、朝食は自宅で摂ると頑なに決めている人も多いのだろう。家族との団らんを楽しんだり、金銭的な節約との観点を持つ人もいるものと考えられる。
これを家族構成別に見ると、一人暮らし世帯の朝食事情が透けて見える。
↑ 自宅以外で朝食に利用している場所(複数回答)(家族との同居状態別)
一人暮らしは家族同居の人と比べて「自宅以外で朝食を摂る」人の割合が多い。朝食を作るのが面倒、時間が無い人が多分にいることがうかがえる。また「ファミレス」以外の場所での利用回答率が高く、多方面の店舗を利用していることが分かる。特に「牛丼屋」「定食屋」の回答率が家族同居者と比べて高めなのが特徴的ではある。
職業別で見ると……
これを別の切り口、職業別で区分して状況を見たのが次のグラフ。
↑ 自宅以外で朝食に利用している場所(複数回答)(職業別)
専業主婦は積極的に外食の形で朝食を摂る必要性があまり無いため、「自宅以外は無い」との回答率も一番高い。他方有職者はスケジュールがタイトになりやすく、6割近くが自宅以外で朝食を摂ることがあると答えている。
特徴的な動きをいくつか拾っていくと、まずは学生における「学校や職場」の回答率が39.0%と高め。これは起床直後は食欲がわかないという個人の問題に加え、朝の部活動などの関係もあるのだろう。
有職者は職場に加え、牛丼屋やうどん・そばなど駅周辺で見かける外食店での利用が多いのも目に留まる。専業主婦で朝食を自宅以外で摂る人は、ある程度ゆっくりすごせる「ファミレス」の回答率が他の職業よりも高いのがポイント。いずれにせよ、それぞれの朝食を摂る場所を介し、朝の時間におけるライフスタイルが容易に想像でき、興味深い。
また上記にある「外食産業の朝食メニューへの注力」に関してなら、たとえば牛丼チェーン店は有職者に向けたメニュー開発を行えば効率よいアピールができるし、新規市場の開拓ならば学生へのアピールが考えられる(専業主婦という切り口もあるが、元々牛丼チェーン店への専業主婦の利用状況を考えると、あまり得策ではない)。他方ファストフードならば、専業主婦向けも有効な手立てとなる次第。
ちなみに朝食を摂る場所で唯一飲食品が販売されていない(学食や社食が朝から開いている、あるいは関連の自販機があれば話は別だが)「学校や職場」の場合、当然他から食事を調達する必要がある。
↑ 学校や職場で朝食を食べる時にどこで購入しているか(学校や職場で朝食を食べる人限定)
今件調査に限れば、コンビニの需要が圧倒的に多く、次いで自宅からの持参者が1/3強という状況にある。昼夜を問わず日配食品が充実しているコンビニの強みが活かされた結果といえよう。
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