映画館での映画鑑賞、年々減る傾向に、ただし…(2015年)(最新)
2015/02/28 19:15


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今調査は2015年2月13日から18日に渡ってインターネット経由にて、10代から60代の男女に対して行われた。有効回答数は1200件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。
今調査に関する先行別途記事にある通り、今調査対象母集団では頻度・観賞方法を問わなければ、9割近くの人が映画を鑑賞している。

↑ 映画を観る頻度(観賞方法は問わず)(2015年)(再録)
そこでその「映画鑑賞をする人」に、「映画館での」映画鑑賞の頻度を尋ねた結果が次のグラフ。リサーチバンクでは2011年から毎年同じ時期にほぼ同じ条件で今項目に関する調査を実施しているため時系列的な比較は可能と判断し、経年の変化も合わせて確認する。

↑ 映画館で映画を観る頻度(映画は観ない人以外)
直近の2015年の場合、映画は観るが映画館には行かない人は10.5%。年に1回も映画館には行かない人が32.4%。映画を観る人で年1以上のペースで映画館に行く人は57.1%に留まっている(調査対象母集団全体比では49.3%となり5割を切る)。月1以上利用する人は5.9%でしかない。
これを経年変化で観ると、半年に1回、年1回といった、イベント的に、たまにだがそれなりに定期的な来館者の比率には変化が無いものの、月1以上、2-3か月に1回のような比較的頻度の高い人たちの回答率が下がり、1年に1回足らず、さらには映画館に行かない人の割合は確実に増加している。これらの値は「映画を観る人」に占める割合で、「映画を観る人」そのものが減っていることを合わせて考えると、半年に1回・年1回といった「たまに観る人」も人数的には減少していると考えて良い。

↑ 映画を観る頻度(観賞方法は問わず)(「映画は観ない」人の割合)(再録)。映画を観る人そのものが減っているので、その人に対する比率が同じでも、人数で勘案すると減っていることになる
もっとも2015年に限れば、高頻度の観覧者率は微増し、低頻度は微減している。これがぶれの範囲の動きによるものか、トレンドの転換によるものかは、現時点では判断が難しい。特に変化をもたらす内外要因は見当たらないため、前者の可能性は高いが、来年以降の動きを注視したい。
いわゆる「映画館離れ」は、映画そのものから距離を置く人が増えたのに加え、映画を観る人でも映画館を敬遠する傾向が強まるという、2つの側面を持つようだ。
前者は趣味娯楽の多様化に伴う競合との競り負けや、作品の品質に関するミスマッチなどが理由として考えられる。後者は先行記事で言及している通り、ネット配信の普及に加え、テレビの高性能化により映画館での映画鑑賞の利点が相対的に減少したことが大きな理由だろう。
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