新聞は前年比でマイナスが多数…4マス別個の業種別広告費推移(最新)

2026/06/18 02:47

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2026-0608先行記事【総広告費は8兆623億円・4マスは全部マイナス、インターネットは10.8%の伸び…過去40年の媒体別広告費動向(最新)】にて解説の通り、電通は2026年3月5日付で日本の広告費に関する調査報告書を発表した。これには日本の広告市場動向が把握できる数多くのデータが盛り込まれている。今回はそのデータを用い、いわゆる4大従来型メディア(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ。4マス)に対する、各クライアント業種別の広告費について、前年比を調べることにする。各業種がそれぞれの媒体に与えている・認識している影響力、ウエイトの変化などが把握できよう(【発表リリース:2025年 日本の広告費】)。

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マスコミ4媒体はマイナス、インターネット広告はプラス、プロモーションメディア広告はプラスとマイナス。特に「新聞」がつく媒体がいずれもマイナスを示していることから、新聞そのもののスタイルではなく内容そのものの不調ぶりがよく分かる形となっている。

↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2025年)(再録)
↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2025年)(再録)

今調査報告書では広告出稿元(クライアント)を21業種に区分し、4大従来型メディア(テレビメディアにおいては衛星メディア関連は除く。グラフでは地上波テレビと表記)それぞれに対する出稿広告費、各メディアが受領している出稿額全体に対する構成比、そして前年比の一覧が掲載されている。

まずは新聞についてその動きに関するグラフを作成し、状況を確認する。なお次以降4媒体のグラフは、すべて縦軸の区切りを同じものとし、状況の比較がし易いようにしている。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2025年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2025年)

軟調さが際立つ新聞だが、2024年ではプラスの業種は4つのみ。それ以外はすべてマイナス。新聞の軟調さが浮き彫りにされた形ではある。

最大のマイナス幅を示したのは家庭用品でマイナス23.7%。次いで趣味・スポーツ用品が大きめの下げ幅。他方、プラス幅では2ケタ台%の上げ幅を示した業種が1業種。最大の上げ幅は家電・AV機器のプラス6.2%。

続いて雑誌。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2025年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2025年)

新聞は4業種がプラスだったが、雑誌は7業種で、全体でもマイナス。1割以上の下げ幅を示した業種は食品、流通・通信、案内・その他。

最大の上げ幅は金融・保険のプラス12.4%。次いで官公庁・団体のプラス3.9%、家電・AV機器のプラス3.6%が続く。

次はラジオ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2025年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2025年)

全体ではマイナスを示したラジオだが、その中身を業種別に見ると多数の業種で2ケタ%のマイナスが出ている。一方で情報・通信のプラス25.7%など、上げ幅の大きな業種も確認できる。

下げ幅で一番大きい業種は飲料・嗜好品のマイナス27.4%、外食・各種サービスのマイナス15.2%、出版のマイナス14.3%。最近ラジオのでこの企業、この業種のCMが少なくなっているなと思っていたが、広告費が減っていたのかと納得する人もいるであろう。

最後は地上波テレビ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2024年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2024年)

プラス業種数は9で、全体値はマイナス0.1%と4マスの中では一番下げ幅が小さい。1割を超えた上げ幅の業種はエネルギー・素材・機械、ファッション・アクセサリー、流通・小売業、官公庁・団体、教育・医療サービス・宗教。いっぽうで1割を超えた下げ幅の業種は2つ。

4マスの中では一番広範囲への媒体力・告知効果が高いのが地上波テレビ。各商品・サービスとの相性のよし悪しもあるが、各業種の勢いが大きく表れているのが興味深い。



文中でも触れているが今回のグラフは、「各媒体を対象とした」「個々の業種別の」「広告費の前年比」。下げ率は同じでも業種が出稿している額面が異なれば、該当媒体に与える金額面の影響度合いは異なる。元々の金額が1ケタ違えば、前年比では同じでも、減った額・増えた額は1ケタ異なる。当然、広告出稿を引き受ける媒体側に与える影響も違ってくる。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2025年における各媒体の金額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度的指数を計算したのが次のグラフ。値が大きいほど、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。例えば前年比が30%のプラスでも、その業種が出稿する広告の総額が対象メディアにおいて0.1(%)しかなければ、影響度合いは0.3×0.1で0.03しかない。逆に伸び率が3%しかなくとも、総額比率が10.0(%)あれば、0.03×10=0.30となり、10倍もの影響度合いを持つことになる。

↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2025年の構成比、業界別)(2025年)
↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2025年の構成比、業界別)(2025年)

新聞は流通・小売業、゜ラジオは外食・各種サービスの下げ方が足を大きく引っ張っている。また、ラジオでは情報・通信が大きなプラスの影響を与えている。新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じている物価高騰という特殊環境下で、厳しくなった業種がどのメディアの広告費を削減したのか、伸長した業種がどのメディアに広告費を傾注投入したか、よく分かる結果となっている。

ともあれ、各媒体における各種業種への報道姿勢と、今件影響度双方の変化度合いを比較すると、色々と面白い連動性が見えてくるかもしれない。


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