受け取る通数も漸減!?…主要国別郵便物の受け取り状況(ICMR2013版)
2014/02/19 15:30
インターネットの普及と共に利用機会が減りつつあるように見える郵便だが、葉書や手紙を送付することは減っているように思える一方、相変わらず郵便ポストには多数のチラシやダイレクトメールが投げ込まれており、受け取り通数には変化がないように見える。実体としてはどのような状況なのだろうか。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に同省公式サイト上で公開した、通信白書の最新版【International Communications Market Report 2013】から関連するデータを探り、主要国の郵便物受領状況の確認をしていくことにする。
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次に示すのは各国の郵便物受領状況。「月あたりの」ではなく「週あたりの」通数であることに注意。また受け取り通としてカウントするのは、葉書や手紙だけでなく小包(雑誌送付も該当)も含まれる。そして手紙の内容は個人・ビジネスだけでなく、ダイレクトメールなどの広告も該当する。
↑ 先週は何通郵便物を受け取ったか(2012年9月、2013年9月)(通、平均値)
もっとも受領数が多いのはフランス。直近では週あたり13通近くも郵便物を受け取っている。次いでアメリカ、中国、日本の順で通数が多い。主要国中もっとも少ないのはイタリアで4.4通/週。次いでオーストラリアの4.7通/週。イタリアは「週一通も郵便物は受け取らない」との回答率も高く、25%に達している。イタリアでは4人に1人は、ダイレクトメールも含め週あたりの郵便物受領数はゼロと答えていることになる。
年ベースでの変化を見ると、中国やアメリカのように微増の国もあるが、概して受領通数は減少の動きにある。特にフランスは2.4通も減っているのが特徴的。
これを受領した郵便の種類別に、受領した人の割合を示したのが次のグラフ。受領したか否かのみの回答なので、具体的な数までは分からないが、どの種類の郵便物が多く届いているかの目安にはなる。
↑ 先週どのような郵便物を受け取ったか(2013年9月)
どの国でももっとも多いのはビジネス上の郵便物。一部を除き80%前後の値を示している。この「ビジネス上の郵便物」とは単純に仕事の上のやり取りの封書だけでなく、領収書や請求書、受領書、振り落とし済み明細書なども含まれている。たまたま回答日の前週にそれらの郵便物を受け取らなかった可能性もあるが、大抵において月に何通もその類の葉書や封書は受領しているはずだ。
次いで多いのは小包。意外に多いように見えるが、通販で購入した物品以外に、定期購読している雑誌も含めるとなれば、案外このぐらいは平気で達する。むしろその小包より多い頻度で広告(ダイレクトメールなど)が届くアメリカの状況が少々怖い感はある。
2012年から2013年の推移にある通り、今後個人的な郵便物の受領回数は減るかもしれない。しかしオンラインショップの普及が進み、郵便や宅配便での受領が増えれば、当然小包の受け取り回数は増加する。請求書は一部で電子化が進むものの、公共料金などを中心に汎用性の問題から郵便で送られるスタイルは継続されるに違いない。さらにコストは桁違いに安くなるものの、相手に与える印象の違いから、特に地域性の高いプロモーションでは引き続きダイレクトメールをはじめとした一般的な郵便物による広告展開は続けられる。
郵便において個人ベースでは、送付機会は確実に減っていく。しかし受領機会は今後も大した変化は無く、むしろ増加をしていくことすらあり得よう。
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