何を使ってネットにアクセスしてる? 主要国のネットアクセス機器(ICMR2013版)

2014/02/13 15:30

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インターネットが至極便利なインフラとなるに連れて、多種多様な機器でネットへの接続が出来るようになりつつある。それでは普段利用するアクセス端末は、国によって違いがあるのだろうか。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に発表した、世界各国の通信業界・メディアの動向を収録した通信白書の最新版【International Communications Market Report 2013】では、主要国におけるインターネットアクセス機器の利用動向を記した項目も確認できる。今回はそのデータをチェックしていくことにしよう。



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まずは非携帯電話系の端末。「ゲーム機」は「Game Console」と原文で表記されており、ここでは据置型の家庭用ゲーム機を指す。携帯ゲーム機は含まれない。

↑ インターネット接続機器(2013年9月、非携帯電話系)
↑ インターネット接続機器(2013年9月、非携帯電話系)

まず注目したいのは、ノートブックパソコン・ネットブックの利用率がデスクトップパソコンよりも上であること。唯一アメリカではデスクトップの方が上だが、差は3%ポイントでしかない。複数の調査でノートパソコンの利用率が高まり、デスクトップと肩を並べる、さらには追い抜いた結果が挙げられているが、今件でもその状況が裏付けられた形となる(昨今ではパソコン=インターネット接続端末と考えても何ら問題は無い)。

特にスペインでは21%ポイントの差をつけて、ノート・ネットブックがデスクトップ以上に使われている。日本もそれに続き20%ポイントの差でノート・ネットブックが優勢。

ゲーム機やスマートTVを使ってインターネットにアクセスしている事例はさほど多くない。ゲーム機ではイギリスの19%、アメリカの15%が高い程度。日本では11%との値が出ている。スマートTVは1割足らずというところか(中国に関しては【スマホ、タブレット、パソコン、デジタルラジオ…主要国のデジタル系機器の所有利用率(ICMR2013版)】で解説の通り、富裕層に限った調査対象母集団のため、同国全体の様子を示した結果ではなくなっていることから、事実上参考値扱いされている)。

携帯電話系の機器はこの通り。縦軸の区切りを上記のグラフと合わせているので、比較が出来る。

↑ インターネット接続機器(2013年9月、携帯電話系)
↑ インターネット接続機器(2013年9月、携帯電話系)

携帯電話系ではスマートフォンの利用がもっとも多く、4割から5割程度がネットアクセス端末として活用されている。事実上この値がそのままスマートフォンの普及率と見ても良いだろう。

スペインの66%、イタリアの58%、イギリスの55%が目立つところ。これと一対で挙げられる一般携帯電話は各国が数%に留まっているのに対し、唯一日本は23%という高い値を示している。これは先行する別途記事でも解説している通り、日本は事実上マルチメディアフォンとして使われる、高性能な一般携帯電話(非スマホ)が普及したため、スマートフォンの普及が遅れている。その影響がこの値にも表れている。23%のほとんどは、このマルチメディアフォンと見て良い。

タブレット機は20%内外の利用率。イギリスやオーストラリア、スペインでは3割を超えているのが印象的。他方日本は17%と、ここでも最下位をひた走る。電子書籍リーダーはどの国も1割未満。類似スタイルのタブレット機と比べると、普及率はおしなべて低い。タブレット機があれば十分代用できるので、専用の電子書籍リーダーの需要はタブレット機ほどは無いのだろう。



インターネットに接続できる端末は数あれど、非携帯系ではノートパソコンなどが最大利用率を示し、次いでデスクトップ、屋外持出し用などのモバイル系ではスマートフォンとタブレット機がメイン。これが主要国における大よその共通状況といえる。携帯ゲーム機は調査項目に入っておらず確認はできないものの、そう大きな値は示さず、精々電子書籍リーダー程度だと考えられる。

デスクトップからノートパソコン、一般携帯からスマートフォンへのシフトは、この数年で劇的に起きた現象に他ならない。今後さらにこの流れは加速していくに違いない。


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