国内、国際、地域ニュースをチェックする時、どのメディアを一番使う? 主要国の違い(ICMR2013版)

2014/02/11 14:00

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新聞やテレビのような既存メディアに加えインターネットが普及するに連れて、ニュースを取得するルートの利用度合いは大きな変化の真っただ中にある。そしてニュースの対象となる事象により、使われるメディアにも差異が生じている。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に同省公式サイト上に公開した、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめた通信白書の最新版【International Communications Market Report 2013】では、ニュースを多様な切り口から区分した上で、主要国別の利用メディアの違いに関する調査結果を掲載している。今回はその点にスポットライトを当てることにする。



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国内ニュースはテレビメイン


まずは国内ニュースの取得に関して。次以降も同様だが、「もっとも使っているメディア」を回答してもらっているのであり、回答メディア以外がまったく使われないというわけではない。利用時間や注力の配分度という点では多少のずれが生じてくる(が、そう大きな違いは出ないだろう)。

↑ 国内ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)
↑ 国内ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)

国内全般のニュースに関しては、多くの国でテレビがメインのメディアとして持ち上げられている。大体40%から50%近く。次いでインターネットが30%近くで続き、新聞・雑誌のような紙媒体は1割、ラジオは数%に留まっている。

フランスやオーストラリアではテレビへの傾注度が高く、インターネットとの差異が大きい。ドイツは2倍、22%ポイントの差が出ている。日本も10%ポイントの差がある。一方でイギリスやアメリカではテレビとネットの差異があまり無く、イタリアに至ってはテレビよりもネットの利用者の方が多いほど。

日本は新聞・雑誌の利用率が16%と高く、イタリアと同等。ラジオ、他人から(口コミ)の値は主要国中最低となっている。

国際ニュースはテレビとネットが競る


続いて国際ニュース。ややテレビが後退し、その分ネットが前進している。

↑ 国際ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)
↑ 国際ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)

国内ニュースではイタリアのみだった「テレビよりネット優性」が、国際ニュースではイタリア、日本の2か国に増えている。テレビ優性の国でもネットとの差異は国内ニュースほどでは無く、大きな隔たりがあるのはフランスとドイツ程度。インターネットは海外伝を直接現地国から取得できることもあり、国内伝よりもテレビとの差異をつけにくいのだろう。

また、新聞・雑誌やラジオ、他人からの回答率は国内ニュースよりも低い。ネットの伸び分がほとんどこれらテレビ以外の媒体から奪われている感じである。

他方、「興味なし」の回答率も国内ニュースより高く、特に日本では14%と主要国中トップの値を示している。「日本人が主要国では一番、国際ニュースへの無関心度が高い」と表現すると、ばつの悪さを覚えざるを得ない。同時に納得できる値ではある。

地方ニュースは新聞や雑誌が大躍進


最後は地方ニュース。つまり自分自身が住んでいる周辺地域のニュースを意味する。

↑ 地方ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)
↑ 地方ニュースを知りたい時には主にどのメディアを使うか(択一、2013年9月)

ざっと見ではテレビ、インターネット以外に新聞・雑誌が大きく伸び、この3者が相並ぶ形となっている。そして国別では大きな違いが出ている。例えばイギリスやアメリカでは素直にテレビ、インターネット、新聞・雑誌の順だが、フランスではインターネットより新聞・雑誌の方が良く使われている。ドイツではさらにテレビの権威が下がり、新聞・雑誌がもっとも使われる結果が出ている。そのドイツではラジオの利用度合いも他国からずば抜け高く、特異な結果が出ている。

日本はといえば、テレビがもっとも利用率が高く、インターネットと新聞・雑誌の利用率が同列に並んでいる。ラジオや他人からの口コミは主要国中最下位。テレビはやや首をかしげるところもあるが、新聞・雑誌が地方ニュース取得のメディアとして良く使われるとの動きには、納得する面も多い。



国内ニュースはテレビメイン、国際ニュースはネットが活躍、地方ニュースは新聞や雑誌もお役立ち……日本のニュース取得の状況をざっと表現するとこのような形になるが、しっくりくる結果といえる。そしてこの状況が他国でもそのまま展開されているわけではなく、国の文化やメディアへの信頼性など多様な要素の影響を受け、ニュース取得元としての使われ方が大いに異なっている様子を知ることができるのは、非常に興味深い。

他方、地方ニュースでは奮闘しているが、新聞・雑誌、ラジオなどが、ニュースの取得元のメインメディアとしてはあまり使われていないという状況は、どの国でもさほど変わらない。今後スマートフォンをはじめとするモバイル端末の普及が進むことで、この関係がどのように進み、変わってくるのか。気になるところではある。


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