複数解釈の情報、自分に近いものを選ぶか・それとも…? ニュースを見る目の違い(ICMR2013版)

2014/02/10 14:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
インターネットの普及によって多種多様な手段を経て、多方面から多数のニュースが送られてくるようになった。当然、一つの事象に対して複数の情報源からのニュースが手元に届くようになる。その際読者、視聴者はどのような観点でニュースを選び、読み解くだろうか。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に同省公式サイト上で発表した、世界の通信業界・メディアに関する動向をまとめた通信白書の最新版にあたる【International Communications Market Report 2013】から、主要国におけるニュースの選択のされ方の違いについて確認をしていくことにする。



スポンサードリンク


インターネットの普及発達に伴い、情報発信・受信のハードルが下がり、一つの事象に対して多数の情報が得られることも珍しくは無くなった。昨今では世間一般に知られている報道大手よりも詳しく、分かりやすく、そして正しいニュースを流すグループや個人も少なくない。

そのような状況の昨今、ニュースを受け取る側でも、ある心構えが必要になる。同じ事象に関して複数のニュースが手元に届いた場合、どのようなタイプを好んで読むか、ということだ。【報道される側の一次情報公開のススメ】の「水が半分入ったコップ」の事例にもある通り、同じ事象でも書き手の思惑によって、受け取る印象がまったく逆のニュースが生成されることも少なくない。画像、映像ですらそれは容易に起きうる。その時読者・視聴者はどのような選択をするだろうか。

↑ 複数の解釈を持つニュースを取得した場合、どのようなタイプのものを好んで読むか(2013年1-2月)
↑ 複数の解釈を持つニュースを取得した場合、どのようなタイプのものを好んで読むか(2013年1-2月)

人は多分に自分の意志、考えに即した情報を好み、選んでしまうもの。得てして意識的に、時には無意識に。今件調査結果でも「自分の意志に反するもの」を選ぶ人は少数派で、「自分の意見に合うもの」を選ぶ人の方が圧倒的に多い。全体的には2割前後が該当する。中でもスペインは31%もの人が、自分にとって聞こえの良いニュースを選択してしまいがちだと答えている。

日本はといえば、これが意外にも「自分の意見に合うもの」は主要国中最下位の15%。一方「自分の意志に反するもの」も少なく4%。8割以上が「公平な視点で」と答えている。しかし現状を見るに、この数字が正しい結果を示しているとは考えにくい。

今調査の結果は回答者本人による自主回答でしかなく、客観的な第三者によるチェックは入っていない。あくまでも自分自身は「公平な視点でニュースを選んで読んでいる」つもり、ではあるが、実態はそこにあらず、という可能性も多分に想定できる。日本がそのパターンに該当しそうだが、もしその場合、無意識のうちに偏った、都合の良い情報を見聞きして積み重ね、さらに偏向的な考えは強度を増していくことになる。

白書では残念ながらそこまでの分析は成されていない。他の類似調査を見つけることができれば、今件についてはさらに検証をしたいところだ。


■関連記事:
【ミスを認める18%・誤魔化そうとする72%…米でのニュースへの信頼性など】
【意思決定を改善する5つの鍵】
【震災時のデマ情報の浸透とその打ち消し情報の広まり(2011年版情報通信白書より)】
【東日本大地震後、デマや流言のようなメールを受けとった人は2割強】
【「マスメディア以外にもネットなどを駆使して多方面から情報を収集した」62.1%、「しておけばよかった」19.3%…震災での情報関連行動の実態と反省度】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2025 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS