正しい商品を送ってくれる? 決済は安全? 広告は誠実? ネットショップへの主要国別信頼度(ICMR2013版)

2014/02/05 11:30

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多くの人が用いるようになったオンラインショッピング(ネットショッピング)。だが実店舗での買い物同様、さらにはオンラインならではのトラブルも後を絶たない。それでは消費者はオンラインショップにどの程度の信頼を寄せているのだろうか。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に同省公式サイト上で一般公開した、世界の通信業界・メディア動向を記した通信白書の最新版【International Communications Market Report 2013】から、該当する3つの項目を抽出し、主要各国の状況を見ていくことにする。



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今記事の3項目は仮定のお題が出され、それに同意するかしないか、どちらともいえないかの3択のみしか選択肢が与えられていない。やや同意する、あまり同意しないはそれぞれ同意・非同意に該当するので注意が必要。また、オンラインショッピングを利用していない人も回答に加わっている。

まずは「ネットショップは正しい商品を送ってくれるか」。例えば別の歌手のCDが入っていた、注文した号の前号の雑誌が入っていたならまだ良い方で、まったく別系統の商品が送られてくる場合もある。梱包時、あるいは事務処理時、さらにはオンラインシステム上のトラブルによるものだが、箱を開けて中身を取り出す際のドキドキ感があるだけに、違うものが入っていたことが分かった時のショック、落胆はなおさら大きい。

↑ 「ネットショップは正しい商品を送ってくれる」(2013年9月)
↑ 「ネットショップは正しい商品を送ってくれる」(2013年9月)

イギリスやドイツは送付商品の正確性への信頼度が強く8割を超えている。否定派は5%程度でしかない。アメリカはやや値が落ちるが76%の信頼度。スペインやイタリアは他の「ICMR2013版」記事にもある通り、不景気のためにオンラインによるネットショッピングそのものへの不信感もあり、低めの値を示している。

そして日本だが、否定派は6%と他国とあまり変わりないものの、肯定派は主要国中で最下位の64%。2/3を切る値に留まっている。「どちらとも」が29%とこちらは最大の値を示していることから、頻繁にではないものの、何度か注文品とは異なる物品の到着を経験した人が少なからずいることを予見させる。

続いて広告内容の真偽性。サイト上で展開している広告、商品の解説内容が実商品を的確に表現しているか否か。

↑ 「ネットショップ上の商品に関する広告内容は正しい」(2013年9月)
↑ 「ネットショップ上の商品に関する広告内容は正しい」(2013年9月)

やはりイギリスとドイツはずば抜けて高い値を示しており、オンラインショッピングに対する絶大な信頼を寄せている、そしてショップ側などもそれに応えていることが分かる。他方イタリアやスペインはやはり低めで、しかもそこにフランスも加わっている。この3か国は非同意派が2ケタ台に達して強い反発の意志が確認されており、ショップ側の不健全な情報提供ぶりがうかがえる。

そして日本はといえば、こちらもやはり主要国では最低の同意率で、唯一過半数割れの48%。非同意派も9%と2ケタに近い値で、痛い経験をした人が多分にいることが分かる。

最後は決済手段に対する信頼性。お金周りの話なだけに、信頼性は非常に重要なのだが。

↑ 「商品購入の際の支払いシステムは安全」」(2013年9月)
↑ 「商品購入の際の支払いシステムは安全」」(2013年9月)

決済手段ではドイツでさえも信頼派の値は5割台にとどまり、唯一イギリスが7割に達している。そのイギリスでは非同意派も1割を切る値を示しており、決済手段への信頼性の厚さが見て取れる。

他国はアメリカやドイツ、オーストラリアがやや高め。不景気を理由に値が低いイタリアやスペインに加え、広告・情報面で不信感の強かったフランスも低い値を示している。特にフランスは非同意派が29%と主要国中最大の値で、よほどトラブルが多発しているのではないかと疑ってしまう(白書には解説は無く、それが確かなのかまでは分からない)。

そして日本だが、他の項目同様、同意派の意見はもっとも少ない。3割を切り29%に留まっている。そして非同意派も26%とフランスに次ぐ高値。自身が経験したか、あるいは報道などでのトラブルを見聞きした上での判断なのか、日本では決済システムに対する信頼性は低いように見える。



国毎の景気事情やインフラに対する信頼性、ネットショップ上での習慣や法体制の差異なども大きな要因だが、今件項目群を見る限り、イギリスやドイツではオンラインショッピングの運営にはそれなりに高い信頼を寄せているのが分かる。そしてイタリアやスペインのような不景気なゆえの信頼性の低さも、他の記事で解説した通りの結果。

唯一イレギュラー的な動きを示したのが日本。他の複数項目で、日本のオンラインショッピングに対する物理的な不快感は低く(遅配がその分高めだが)、不快経験者も少ないなどの結果が出ている。にも関わらず「正しい商品を送ってくれるかどうか不安」「広告はいい加減、過剰表現的なものがある」「決済システムにも信頼を寄せきれない」という、諸国中一番の不満や不信をかかえていることになる。

文句を言いながら、頭に浮かべながら、対象者に向けて具体的な反発の意志を挙げることが少ない、日本独自の国民性が表れているのかもしれない。


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