「卵は高くなったけど買い控えは…」値上げ報道商品の値上がり体感と買いびかえの有無

2014/02/03 14:30

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住信SBIネット銀行は2014年1月31日付で、値上げに関する消費者意識調査の結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団では、昨今値上がりが伝えられた商品の中でもっとも値上がり感を覚え、かつ買いひかえが行われたのは「ウナギ」だった。7割近い人が値上がりを実感し、6割近い人が買いひかえている。一方、「卵」「パン」「豆腐」などは多くの人が値上がりを実体験しているものの、買いひかえられている率は低めにとどまっている(【発表リリース:住信SBIネット銀行 「値上げに関するアンケート」】)。



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今調査は住信SBIネット銀行の個人顧客の中で30代から60代の男女を対象に、インターネット経由で2014年1月7日から14日に渡って実施されたもの。有効回答数は4341人。男女比は3343対998、世代構成比は10歳区切りで794人・1176人・1214人・1157人。調査協力機関はネットエイジア。

原油価格をはじめとする原材料の価格上昇や為替レートの変動に伴い、いくつもの商品の値上げが実施され、それらの動向が報じられている。そこで頻繁に値上げが伝えられている食品に関して、実体験として値上がりを実感したか否かを聞いたところ、もっとも多くの人が「本当に値上がりしたね」と思った食品は「ウナギ」だった。7割近い人が同意を示している。

↑ 値上がりを感じた人の割合(値上げが報じられた食品を例示)
↑ 値上がりを感じた人の割合(値上げが報じられた食品を例示)

「ウナギ」を常食する人は稀だろうから日常生活の上では大きな問題は出ないが、「卵」「パン」「牛乳」などは毎日食し、それこそ週に何度も買い求めている人も多く、値上がり感を肌身に感じ、辛さを覚える人も多いに違いない。他方「ウナギ」以外に「エビ」「マグロ」は比較的イベント性の高い食品だが、元々価格が日常消費品と比べると高めなため、値上がり感を強く感じるのかもしれない。

では値上がりを実感したものに対し、買いびかえをして対応したのか、それとも買いびかえせずにそのまま購入を(量・頻度の点で)継続し続けたのか否かを聞いた結果が次のグラフ(最初のグラフにおける設問の結果を細分化したものである)。

↑ 値上がりを感じているか、そしてそれに対して買いひかえをしたか(値上げが報じられた食品を例示)
↑ 値上がりを感じているか、そしてそれに対して買いひかえをしたか(値上げが報じられた食品を例示)

品質の変更、いわゆる「トレードダウン」が買いひかえに該当するのか否か判断に迷うところがあるが、購入数・頻度を落としたわけではない以上、今件では「買いひかえせず」に当てはまると見てよいだろう。

牛乳結果を見る限り、値上がりが伝えられた食品では「ウナギ」「エビ」「マグロ」「鮭」のような魚介類、あるいは日常性がさほど高くないものは、値上がり感を覚えると買いびかえが行われる可能性は高い。一方、「卵」を筆頭に「パン」「冷凍食品」などのような日々食されることになる食品は、たとえ値上がりを感じてもそのまま買い続けられる場合が多い。特に「卵」はほぼ6割が高値を実感しているにも関わらず、買いひかえをした人は14.3%に留まっている。「豆腐」や「牛乳」「マヨネーズ」は特にその傾向が強く、値上がりしていると思った人のうち2割前後しか買いひかえをしていない。

これは「(元々単価が低いため)値上がり額が少額で済んでいる」「日常的に食しているため買いひかえは出来ない」「値上がりはツライが買いひかえるほどのものではない」などが要因と考えられる。

ただしこれらの反応は、現時点での物価上昇に対するもの。今後さらに値上がりを見せることになれば、買いひかえ率の低い食品でも、消費が抑えられる動きが多分に出てくるに違いない。


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