飲食品、電気、灯油…それより「値上がりツライ」と思われているものは?

2014/02/03 11:30

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住信SBIネット銀行は2014年1月31日、値上げに関する消費者意識調査の結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、昨今値上がりがツライと感じている商品・サービスでもっとも多くの人が同意を示したのは「ガソリン」だった。次いで「食品・飲料」「電気」が続く。専業主婦に限ると「ガソリン」より「食品・飲料」の方が回答率が高く、世代別では「携帯電話の通話料」などで若年層の方が高い値を示している(【発表リリース:住信SBIネット銀行 「値上げに関するアンケート」】)。



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ガソリン・飲食料・電気…高値を覚える商品達


今調査は住信SBIネット銀行の個人顧客で30代から60代の男女に対してインターネット経由で2014年1月7日から14日にかけて実施されたもので、有効回答数は4341人。男女比は3343対998、世代構成比は10歳区切りで794人・1176人・1214人・1157人。調査協力機関はネットエイジア。

為替レートの変動や原材料費の値上がりなどを起因とし、商品価格・サービスの値上げ話がよく見聞きされる昨今。消費者は具体的にどのようなものに対して値上がり感を覚えているのだろうか。値上がりが体感でき、それが辛いと思ったものに対し、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)
↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)

最上位についたのは「ガソリン」で55.6%と過半数。自動車を運転している、あるいは世帯に自動車が無ければガソリンの高値感を実感することも無いので、見方を変えれば少なくとも5割強の人は何らかの形で、日常的に自動車などを用いている計算になる(自営業者で営業車を使っている人もいるだろう)。

日常的に使っているから値上がりが分かりやすく、辛さを覚える点では「食品・飲料」や「電気」が上位を占めているのも理解はできる。以上3項目が他から抜きんでた「高値感を覚える商品・サービス」で、実質的に約半数の人が同意を示すもの。

その他にはほぼ冬季限定の「灯油」、電気ほどではないが日常生活では良く使われるインフラ系の「ガス」、そして「日用品・トイレタリー」など、反復して使われる、単価がさほど高くない類の商品で「値上がりが辛い」との感想が抱かれていることが多い。

主婦は食品、若年層は携帯料金…「身近な商品」の値上げが目に留まる


これを属性別に見たのが次のグラフ。まずは「有職者」「専業主婦」「無職」別に仕切り直したもの。

↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)(属性別)
↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)(属性別)

有職者は仕事の最中に使うこともあり「タバコ」「自動車」「有料道路料金」などがやや高めに出ているものの、全体的には順位などの点で平均値と大きな違いは無い。一方「専業主婦」は「ガソリン」以上に「食品・飲料」が高い値を示し、「電気」も「ガソリン」に競っている、「日用品」「衣服・下着」「医薬品」などの値も他の属性より高めに出ているなど、日頃目に留め定期的かつ実際に購入する商品やサービスで、高い値が出ているのが分かる。金額の違いを実感できる機会が多い、反復されるものほど、高さをより印象深くするというところだろう。

また世代別では「回答者自身に身近なもの」の点で値上がり感を覚える傾向が強いことが分かる。

↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)(世代別)
↑ 最近、値上がりがつらいと感じた商品・サービス(複数回答、一部)(世代別)

回答時期が冬であることから、暖房に用いる機会が多い「電気」「灯油」で歳を経るほど、買替の頻度が高いことから「日用品・トイレタリー」・利用頻度が高いことから「携帯などの通信代」では若年層ほど、値上がりが辛いと答えている。「携帯などの通信代」に限れば、金額そのものも若年層の方が高くつき、それだけ負担が大きく、値上がりも強く実感してしまうと考えれば納得は行く。



医薬品や鉄道運賃のように、値上がりの辛さを覚えても削減が難しいものもある一方、趣味趣向品や一部日用品のように品質を変えたりまとめ買いを強化する、さらには購入頻度・数量を減らすなどで、値上がり感に対応できるものもある。収入が増やせれば一番なのだが、一朝一夕で出来るものでは無く、しかも意図した通りのアップができる保証は無い。

上位3項目の「ガソリン」「食品・飲料」「電気」は日々の生活に必要不可欠で、削減も難しい。節約感を強くし利用を一層引き締めるか、他の項目でまかなうことになる。いずれにせよ消費の減退は否めない。景気に水を差すようなことがないよう、願いたいものではある。


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