「税込総額の方がいい」「軽減税率希望」消費税引上げに関する消費者の意見
2014/01/24 15:30
インターワイヤードのディムスドライブ事業局は2014年1月23日、消費税率引上げに関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、商品価格の表示方法として、税込の総額を重視して表示する方式を望む人が6割に達していることが分かった。本体価格の表示重視派は1割強に留まっている。また商品や消費形態に合わせて税率を変える「軽減税率」のスタイルについては、税率引き上げ後では2/3の人が望んでいるとの結果が出ている(【発表リリース:「消費税率引き上げ」に関するアンケート】)。
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消費者が知りたいのは「払う額」
今調査は2013年12月12日から27日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は7275人。男女比は59.7対40.3、世代構成比は10代から10歳区切り(「70歳以上」まで)で0.3%・3.8%・15.7%・31.0%・27.3%・15.5%・6.4%。
消費税率の4月からの引き上げに伴い、小売各界では価格表示の方法について業界内ルールの設定・調整に大騒ぎな状態が続いている。法令上では一定期間は「表示価格が税込価格と間違われないような措置がなされていれば、税込価格ではなく税抜き価格で表示しても良い」とする特別措置法が施行されている。例えば「100円(税抜)」「100円(本体価格)」「100円+税」などの表記はいずれも(期間限定ではあるが)アリとなる。
それでは消費者側からの立場として見た場合、どの価格表示方式が望ましい・分かりやすいだろうか。択一で尋ねたところ、本体価格では無く税込の総額の方が良いとする意見が6割を占める結果となった。
↑ 店舗での買い物の際、自分にとってはどの価格表示方法が好ましい(分かりやすい)か(択一)
本体価格のみ、本体価格を大きく表示するスタイルを望む人は少数派にとどまり、同サイズでの表示が1/4強、残りは税込総額重視派。全体の1/4は「税込総額だけでよい」とする意見ですらある。一部業界では税込総額の表示によって割高感を覚えてしまうのを嫌う、税率改正前後の価格表示・管理の調整の煩雑さを受けて、本体価格のみを表示することを望む向きもあるが、買い手としては「支払う額がいくらになるのかを知りたい」の需要が大きいようだ。
「できれば軽減税率希望」
消費税の引き上げに伴い注目されている考え方の一つに「軽減税率」というものがある。これは食品などの生活必需品に限り消費税率を低くしたり、非課税にするという特別措置で、一部の海外諸国で導入されている仕組みである。例えはイギリスでは食料品や医薬品などはゼロ%、光熱費などでは低率化が実施されている。日本でも消費税率が10%に引き上げられた時点で、財源の確保・関係事業者の理解同意と環境の整備を得た上で導入に関して、2014年12月までに詳細な検討を行うとしている(【ロイター:消費税の軽減税率制度、「税率10%時に導入」で合意=自民・公明】)。つまり現時点では、税率引き上げの4月以降も一律課税で、軽減税率は行われない。
この「軽減税率」の仕組みについて、現行の5%、そして引上げ後の8%、それぞれの場合において、どのような制度設定が望ましいかを尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 消費税率の設定ではどの方法が好ましいか(商品・消費形態に合わせて税率を変えるか否か、択一)
現時点ではある程度慣れがあるからか「全部同じで良い」とする意見が37.3%見受けられるが、8%の時点では16.7%にまで減る。そして商品や消費形態によって大きく差をつけた方が良いとする意見が37.6%にまでふくらみ、「多少差を付ける」の30.3%をも超える多数派に収まっている。今後さらに10%にまで底上げされるとなれば、この傾向はますます強まるだろう。一方で「分からない」とする意見が約15%いるのは気になるところ。
なおこれを年収別に見ると、多少のぶれはあるものの「高年収ほど同じでかまわない」「低年収ほどかなり差をつけるべきである」という傾向が見受けられる。
↑ 消費税率の設定ではどの方法が好ましいか(商品・消費形態に合わせて税率を変えるか否か、択一)(8%、世帯年収別)
年収が高い人ほど消費税分程度は収入そのものの大きさでカバーできる、低年収ほど税率の引き上げがダイレクトに生活に響く(少なくともそのように考えている)ことから、消費する=税負担が生じる食品などの日用品では軽減税率を導入してほしいとの声が強くなると考えれば道理は通る。
他方、低年収ほど「分からない」との意見が多い傾向も見受けられる。税そのものへの関心の薄さによるものかもしれない。
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