スマホ経由のお買物、一番人気は本では無くて……
2014/01/25 14:00
博報堂DYホールディングスは2014年1月20日に同公式サイトにおいて、スマートフォン利用者に係わる調査結果を公表した。それによると調査対象母集団では、約2/3がスマートフォンを用いてネットショッピングサイトを利用(閲覧・購入)した経験があることが分かった。その利用者によってもっとも実際に購入された物品は「衣料品・靴・バッグ・服飾雑貨」だった。6割近い人が購入経験ありとしている。次いで「書籍・雑誌」「音楽・映像ソフト」が続いている。また未利用者も含め、今後スマートフォンを利用したネットショッピングで購入したい実商品の種類を挙げてもらったが、やはり最上位には「衣料品・靴・バッグ・服飾雑貨」が、次いで「書籍・雑誌」が挙げられた(【発表リリース:博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」第8回分析結果発表】)。
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今調査は2013年11月29日から12月1日に渡って、高校生から69歳までのスマートフォンユーザーに対して、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。男女比は526対474、世代構成比は10代から10歳区切りで61・286・250・186・135・85人。
今調査に関する先行記事で解説している通り、今調査対象母集団のうち65.2%が、スマートフォンを用いたインターネットショッピングの経験があると答えている(「利用」には実購入だけでなく商品ページの閲覧も含む。一方で、ゲームやアプリの購入、電子書籍や音楽のダウンロード購入は含まれない)。
↑ スマートフォンでのネットショッピングの利用経験(スマホユーザー限定、電子書籍やアプリなどのデジタルコンテンツは除く、購入だけでなく商品の閲覧も含む)(再録)
それでは「利用」した人において、実際に商品を購入した人はどのような物品を買ったのだろうか。ジャンル別に区分した選択肢で、該当するものを答えてもらった結果が次のグラフ。
↑ スマホのネットショッピングサービスで実際に購入したことがある商品・サービス(利用経験者限定、デジタルコンテンツ除く、複数回答、上位陣)
最上位についたのは「衣料品・靴・バッグ・服飾雑貨」で57.7%。ネットショッピングの利用率、及びその利用頻度でも男性よりは女性の方が高いという結果が今調査でも出ているが、単なる利用だけでなく購入の面でも、女性の方が比率が高いものと考えられる結果ではある(購入商品・サービスに関する男女別回答数は公開されていないので確証があるわけではないが、他調査の結果や商品性向から容易に類推できる)。
次いで多いのは「書籍・雑誌」。価格がお手頃なのが多く、衝動買いしやすい種類のものも多々あり、他人からお薦めされることも少なくない。まとめ買いしても、重たい荷物を抱えて自宅まで持ち帰る必要も無い。また最近では本屋が身近に無く、手軽に、普通に本を購入したい時にも使われ得る。同様の理由で「音楽・映像ソフト」も買われやすい。
他人から薦められて、あるいはサイトで関連情報を見かけて、つい衝動買いしてしまう類の商品としては「食品・食材」「趣味用品」も同様である。もっとも「食品・食材」は日常の食生活に浸透する形で利用し、購入している人もいるのだろう。
もっともこれらの商品を購入する際の想定理由のほとんどは、パソコン経由のネットショッピングと変わらない。精々「機動力の高さを活かして外出先、あるいは自宅内でも端末以外の場所からでも購入できる」「パソコンを持っていなくても使える」程度だろうか。
他方、現在まだ未利用の人も含めた調査対象母集団全員を対象に、今後(も)購入してみたい商品やサービスを挙げてもらったのが次のグラフ。すでに利用・購入している人も含まれており、それらの人達は多分に今後も継続購入するであろうことを考えれば、上のグラフと似たような結果が出るのも容易に理解はできるはず。
↑ スマホのネットショッピングサービスで今後(も)購入してみたい商品・サービス(デジタルコンテンツ除く、複数回答、上位陣)
「衣料品・靴・バッグ・服飾雑貨」「書籍・雑誌」など、すでに購入した人たちによるランキングと上位陣は変わらない。これらの人気は不変である。他方、「趣味用品」「家電製品」が上位に挙がっており、これらは多分に「現在まで利用経験はないが、今後使ってみたい人」が購入対象として想定している面が大きいものと思われる。
本文中で「パソコン経由でも大抵のネットショッピングは出来る」としたが、その言葉に間違いはないものの、スマートフォンならではのメリットとして「家族内でもプライベートを守れる」が挙げられる。パソコンを家族で共用していたり、たまにでも他人に閲覧される可能性がある場合、自分の消費・購入性向を見られるのは、たとえ家族でもあまり気持ちの良いものではない。
しかしスマートフォンならば自腹で購入できず保護者のを借り受けている子供は別としても、大抵はプライバシーが守られることになる。今後購入したい商品・サービスで「趣味用品」が上位に挙がっているのは、そのあたりの事情も一因としてあるのかもしれない。
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