どの国でもテレビは人気者…世界各国の主要メディア利用状況(ICMR2013版)

2014/01/31 11:30

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英情報通信省が2013年12月12日で公開した、世界各国の通信業界・メディア動向を網羅した通信白書「International Communications Market Report」の最新版【International Communications Market Report 2013】によれば、主要各国共にテレビを習慣的に観ている人は9割前後に達している一方、ラジオは国によって3割から7割と大きな違いが出ていることが分かった。携帯電話の利用状況は8割前後だが、固定電話はドイツなど一部の国を除けば5割から6割前後に留まっている。今回はこれらテレビや電話を含め、主要国における主要メディアの常用度合いを今白書から見ていくことにする。



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4大主要メディアといわれているテレビ・ラジオ・新聞・雑誌のうち、雑誌を除いた3メディア、そして新聞や電話、インターネットなどのコミュニケーションツールについて、少なくとも一週間に一度以上は使っているか・行っているか否かを聞いた結果が次のグラフ。言い換えればこれらのメディアを常用しているか否かを示す指針である。例えば「手紙や小包投函」の日本での値は21%なので、回答者の2割強は、週に一度以上は手紙などを郵便ポストに投函、あるいは郵便局窓口で郵送手続きをしていることになる(見方を変えれば8割近くはしていない)。



↑ 日常これらの行為をしているか(少なくとも週一以上)(2013年9月)
↑ 日常これらの行為をしているか(少なくとも週一以上)(2013年9月)

当記事タイトル、冒頭でも触れ、自身の経験からも納得がいく結果ではあるが、どの国でもテレビ視聴値の値は高く、9割前後を維持している。少なくとも今回取り上げた国に限れば「テレビ好き」の動きは世界共通のようだ。一方、テレビと対で取り上げられることが多いラジオは、日本と中国で3割台と低め、その他の国では7割前後。

これも対で取り上げられることがしばしばある携帯電話と固定電話では、前者の常用率は各国共に高く8割から9割。意外にアメリカの値は低く75%。それではアメリカは固定電話の利用率が高いかといえばそうでも無く、50%と低レベルに留まっている。ドイツは固定電話の利用率が高く8割を超え、スペインも75%と高め。アメリカ以外では日本と中国が低く、共に4割台に留まっている。

新聞の購読性向は各国の特異性が良く表れている。全国紙ではイギリス、イタリア、スペインは高めで、ドイツ、フランスは低い。アメリカは17%と2割を切っている。他方地方紙では日本が3割に届かない値に留まる一方、他国は4割から6割と高め。日本の地方紙への傾注度の低さは特異な状態といえそうだ(もっともこれは全国紙の影響力が異様に強く、地方紙が押されているという日本の新聞業界における特殊事情の結果ではあるのだが)。

郵便物の投函状況はイギリス・フランス・ドイツなどで高めだが、それ以外は2割から3割程度。他方郵便物受領は各国とも7割から9割と高めだが、これは公共料金などの通知や請求書、ダイレクトメールなどの受領があるからだとリリースでも報告されている。



直近の各国におけるメディア常用率としては、いくつかの項目における日本のイレギュラーな値がやや気になったが、大体想像した通りの結果が出ているといえる。テレビは今後も高い値を維持し続けるだろうが、例えば固定電話から携帯電話のように、時代の流れと共に常用率が減り、あるいは増加するメディアも出てくるのだろう。特に物理的やり取りが行われる新聞や郵便物の動きには、今後も注目していきたいところだ。


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