スマホ、タブレット、パソコン、デジタルラジオ…主要国のデジタル系機器の所有利用率(ICMR2013版)
2014/01/31 08:30


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デジタル機器の浸透度は、その国のデジタルインフラの整備度合や市場規模、娯楽系文化の動きを知る上で、重要な指針の一つとなる。次に示すのは主要国で個々の機器において「世帯内に存在し」「少なくとも個人目的用に使っている」割合を示したものである。世帯内の誰か別の人が所有していても回答者自身が使った経験が無ければ、回答には該当しない。


↑ デジタル系アイテムの所有・個人利用率(2013年9月)
デスクトップもラップトップ(ノート型)も、パソコンは利用率が高く、国による差異はあまり見られない。またアメリカ以外の国ではデスクトップ以上にラップトップパソコンが用いられており、世代交代が果たされていることが分かる。日本ではデスクトップ59%、ラップトップ80%。
スマートフォンは国によって大きな差異が出ており、スペインの74%やイギリスの66%、イタリアの65%など、2/3を超える値が点在している。日本の34%という値が余計に低く見える。またタブレット機が日本も含め意外な利用率を示しているのが分かる。日本・ドイツの2割台を除けば、各国3割から4割を示しているほどだ。廉価価格帯の端末が多数登場していることが、普及の後押しをしているのだろう。
デジタルラジオはイギリスのみ突出する形で30%との値をはじき出している。これは同国のラジオ業界が国をも巻き込んでデジタルラジオの普及キャンペーンを実施し、またアナログラジオ放送終了の判断が下される予定もあるからに他ならない。
HDTV(高精細度テレビジョン放送用テレビ)やVOD-TV(ビデオオンデマンドテレビ)など、テレビ関連の利用率では、HDTVはさすがに高めな値が出ているものの、それ以外は概して低め。日本はDVR(デジタルビデオレコーダー)以外は押し並べて主要国の中ではもっとも低い、あるいは下から二番目の序列に留まっている。見方を変えれば欧米諸国は日本以上にテレビ関連の機器の普及が進んでいるということだ。
テレビの低迷さの起死回生策としてうたわれた3D-TVだが、今回取り上げられているアイテムの中では一番利用率が低い。日本の6%はともかく、アメリカで7%、ドイツでも16%でしかない。むしろインターネット機能を内蔵した総合情報テレビ的なスマートテレビの利用率の方が高いほどである。こちらは日本ですら15%を示しており、ドイツやオーストラリア、イタリアでは2割前後に達している。
今後の動向予想についてレポートには記載はないが、スマートフォンやタブレット機は今後さらに値を積み増していくことだろう。テレビもDVRは漸減し、VODやスマートテレビが普及していくに違いない。
グラフを見ればお分かりの通り、取り上げられた諸外国の中では中国がややイレギュラー的な値を示している。これについて今レポートでは複数の項目で注意書きをした上で、最後に一章を独自に設けることで補足説明をしている。
いわく、中国の回答は他国と違い、国全体の平均動向と比して富裕層に偏りを見せており、参考値レベルの値である場合が多いとのことである(本文中極力触れていないのはこれが理由)。それだけ地域格差が大きく、国全体として状況を眺めるのは困難であるのと同時に、富裕層に限定すればここまでの高値を示すという点でも、注目すべき結果であろう。
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