主要国の固定ブロードバンド回線のスピードの移り変わり(ICMR2013版)
2014/01/30 14:30


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先日掲載した【主要国の固定電話・携帯電話の利用率(ICMR2013版)】で少し触れているが、固定回線におけるブロードバンド(明確な定義は無いが、概して1Mbps(bps=bit per second、ビット毎秒)以上。また回線種類がFTTH、xDSL、CATVなどが該当)率はさほど高くない。リリース発信元のイギリスで34%、日本でも31%に留まっている(対人口比)。

↑ ブロードバンド利用率(対人口比、2012年)(再録)
この固定回線によるブロードバンドでのスピードがどれほどのものか、その実情を示したのが次のグラフ。直近にあたる2012年とその3年前の2009年の値が併記されており、どれほど高速化が進んだのかも分かるようになっている(アメリカ・カナダは2012年のみ)。なお上記にもある通り「Mbit/s」とは「Mbps」のこと。

↑ 固定ブロードバンド回線のスピード(2009年/2012年)
今回取り上げられたいずれの国でも、3年間でブロードバンド回線はより高速化が果たされている。特に高速化が進んでいる(赤い面積が広い)のはイギリス、フランス、オーストラリア。これらの国々は7割以上が8Mbps以上の速度を確保している。他方超高速化(30Mbps以上)という視点ではオランダやスウェーデンが秀でており、3割前後の値が確認できる。
ドイツは意外に高速化が進んでいない。またそのドイツを含め、アメリカ、イタリア、スペイン、ポーランドは2012年の時点でも1割以上が2Mbpsに留まっている。ダイヤル回線中心の時と比べれば2Mbpsでも劇的なスピードだが、マルチメディアコンテンツが主流の昨今では、ウェブサイトの閲覧ですら重たさを覚える事例が多いに違いない。
単なるテキストのやり取りならば2Mbpsでも何の問題も無く利用はできる。しかし大量の容量を瞬時に送れる回線速度を確保できれば、写真とも見間違うかのような高画質の大型画像、映画と同レベルの高品質でスムーズな動画、そして巨大なサイズの添付ファイルをストレスなく送受信できることになる(やりとりは出来ても重たさを感じずに再生できるか否かは、利用者の端末の性能にも寄る)。マルチメディア化、特に動画方面におけるデータの大容量化が進む昨今では、さらなるブロードバンドの高速化が求められ、インフラとして普及していくことになるだろう。
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