米国タブレット普及率は42%にまで躍進

2014/01/20 11:30

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アメリカの大手民間調査機関【Pew Research Center】は2014年1月16日、同国内の電子書籍とそれを読む端末の浸透ぶりについて調査したレポート【E-Reading Rises as Device Ownership Jumps】を発表した。それによると直近の2014年1月時点でアメリカの成人におけるタブレット機所有率は42%、電子書籍リーダーは32%に達していることが分かった。所有率はこの数年で大きく飛躍しており、特に2012年には前年から2倍前後に伸びているのが確認できる。



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今調査は2014年1月2日から5日にかけてアメリカ合衆国内に居住する18歳以上の男女に対して、電話経由でのインタビュー形式(英語とスペイン語を使用)で行われたもので、有効回答数は1005人。固定電話利用者は500人、携帯電話利用者は505人(うち268人は固定電話未所有者)。国勢調査によるウェイトバックが行われている。

Pew Research Centerでは過去数回に渡りタブレット機や電子書籍リーダーに関する調査が実施されているが、その結果による所有率の推移を見たのが次のグラフ。なお「タブレット機」とはiPadやKindle Fire、Google Nexusなど、「電子書籍リーダー」とは携帯型で電子書籍を読むことを主目的とした端末で、例えばNookやKindleなどを指す(KindleとKindle Fireの違いに注意)。

↑ タブレット機/電子書籍リーダー所有率(米、18歳以上)
↑ タブレット機/電子書籍リーダー所有率(米、18歳以上)

2010年5月の時点ではそれぞれ3%・4%しかなかったタブレット機・電子書籍リーダーの所有率。それが1年後にはそれぞれ8%・12%と2倍以上に伸びる。そして1年強後の2012年11月にはさらに2倍以上、特にタブレット機の伸びが著しい。これは【アマゾンのKindle Fireはタブレット市場の起爆剤に】でも触れている通り、アマゾンのKindle Fireが大きな後押しをした結果によるもの。

その後も順調に所有率は増加を続け、2014年1月時点ではタブレット機は42%、電子書籍リーダーは32%にまで伸びている。アメリカの成人で5人に2人はタブレット機、3人に1人は電子書籍リーダーを持っている計算。区分期間を考えれば、2011年12月から2012年11月の間以上に、2013年9月から2014年1月の伸びは著しい。普及状況に加速がついたのだろう(ぶれの可能性もあるが)。

直近の状況を属性別に見たのが次のグラフ。

↑ タブレット機/電子書籍リーダー所有率(米、18歳以上、2014年1月)
↑ タブレット機/電子書籍リーダー所有率(米、18歳以上、2014年1月)

男女では差異は無し。強いて言えば電子書籍リーダーはやや女性が多い。世代別では中堅層がやや大きめだが、デジタル系アイテムは得てしてこの世代が最初に飛び付く傾向が強いことから、納得は出来る。

学歴別・世帯収入別では押し並べて高学歴・高世帯収入ほど所有率は上昇する。特に大卒以上は6割近く、年収7万5000ドル以上の世帯の人はほぼ2/3がタブレット機を有しており、注目に値する(似たような動きを示すのは、学歴と世帯収入の間には相関関係が存在するからに他ならない)。地域別ではやや地方居住者が低めの値を示しているが、これは世帯年収の差異が一因だろう。

低年収層では低めな値だが、すでに65歳以上でも2割を超える人がタブレット機、さらには電子書籍リーダーを有している。電子書籍が読まれる環境は急速に普及し、さらに今後伸びる雰囲気を示している。少なくともアメリカでは、電子書籍そのものが日常生活の中へ浸透する環境は整いつつあるようだ。


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