新築・既存ともに物件増加、特に既存物件が大幅増加…賃貸住宅会社の物件の増減実情(2023年発表分)(最新)

2023/12/05 02:51

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2023-1127賃貸住宅の管理会社から成る業界団体「日本賃貸住宅管理協会」が公式サイトにて更新公開している、同業界の白書的な調査結果【賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)】の最新版「賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)・2022年度(2022年4月-2023年3月)」が、2023年10月付でお披露目された。今回はその公開値を基に、賃貸住宅管理会社が管理する新築・既存物件、それぞれの増減について、グラフ化と現状の確認をしていくことにする。

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今調査は2023年7-8月にインターネットを用いて日本賃貸住宅管理協会会員に対して行われたもので、有効回答数は541社(回収率29.7%)。2022年4月から2023年3月に関する状況について回答してもらっている。なお項目の目安としては前年度比で「増えた…+10%以上」「やや増えた…+5%」「変わりなし…プラスマイナスゼロ」「やや減った…−5%」「減った…−10%以上」となる。また、公開されている図版・数字の多くは3段階評価で示されているが、この場合「増えた」「やや増えた」の合計が「増加」、「減った」「やや減った」を合わせた値が「減少」に該当する。

今協会に所属する賃貸住宅の管理会社は、新築、または既存の賃貸物件の管理を受託し、その業務を執り行うことになる。賃貸住宅全体の需要が増えれば既存物件だけでは追いつかず、新築物件の建造で管理数全体を増やして需要に応えねばならない。もちろん絶対数だけでなく、例えばファミリー向けの需要拡大、駐車場付き物件の訴求力向上、インターネット標準装備物件の人気化、太陽光発電設備の導入に対する関心の高まりなど、需要の内容変化にも応じる必要がある。一般的に「新規物件増」イコール「賃貸住宅の需要拡大」となる。

直近の値における新築物件と既存物件の仕入れ状況の変化については次のような結果となった。全国的には前期と比べると「新築物件は増加」「既存物件も増加」となる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(前期比)(2022年度)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(前期比)(2022年度)

全国だけでなくすべての地域区分において、新築物件より既存物件の方が「増加」は多い。

「増加」から「減少」を引いたDI値を算出すると、現状がよく把握できる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(前期比、増加−減少)(2022年度)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(前期比、増加−減少)(2022年度)

今年度では「首都圏」「関西圏」「首都圏・関西圏以外」すべてにおいて既存物件の方が伸びが大きい。この動きについて短観では「貸家着工数は金利先高観やインフレ懸念を背景に2021年3月以降前期比プラスが続いており、結果として新築物件の仕入れ戸数が対前期に比べ上昇したものと思われる。着工と竣工にはタイムラグがあるためこの傾向はもうしばらく続くと思われる」と説明している。

ただ、前年度の前期比を確認すると、全国の新築戸数のDIは大きく下落しており(2021年度の新築戸数DIはプラス11.3で、前期比はマイナス6.9)、その反動が生じたに過ぎないものと考えられる。


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