子供の入浴、食事の世話、寝かしつけ…夫婦で一緒にすべき家事・育児とその現実
2014/01/06 14:30
内閣府男女共同参画局は2013年12月17日に「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果の速報内容を発表した。その公開資料によると、6歳以下の第1子、そして配偶者と共に暮らす有職男性では、8割近い人が平日の家事や育児において、夫婦で子供を風呂に入れるべきだと考えていることが分かった。6割強は子供の食事の世話や子供の寝かしつけを夫婦で行うべきだと考えている。他方、実際にそれらの育児・家事をしているか否かに関しては、子供の寝かしつけなど一部で、考えと実行動との間に大きなギャップがあることが確認されている(【発表リリース:「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報を公表しました。】)。
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今調査のうち今件該当部分については、6歳以下の第1子、そして配偶者と同居している、20歳以上の有職者男性を対象として、2013年9月にインターネット経由で行われたもの。有効回答数は2004人。正社員は1671人、非正規社員は116人、自由業・自営業は217人。
元々夫婦における家事の分担は何かと論議の対象となるが、特に妻が妊娠して以降は身重になり家事に難儀してしまうこと(+体への負担は避けるべきとの考えもある)、出産後は育児で時間と手間が余計にかかることなどの理由で、夫の協力がより強く求められることになる。
それでは実際にそれら妻の妊娠・出産・育児を経験している今調査対象母集団の男性=夫では、仕事をしている平日で、どのような分野の家事・育児を夫婦一緒にすべきと考えているだろうか。これはつまり、「夫がどの分野で家事・育児を手伝うべきか、妻の代替として実施すべきか」を意味している。
↑ 平日に夫婦で実施すべき家事・育児と、実際にしている家事・育児(複数回答、男性)
妻の負担だけでなく、回答者自身の技術や時間が確保できるかも合わせ、「夫婦でした方が良い」と夫が考えてる項目の最多同意項目は「子供を風呂に入れる」。77.6%が行うべきだとしている。次いで「子供の食事の世話」「子供の寝かしつけ」「食事の片づけ」「子供の着替えさせ」が続く。多分にスキルをあまり必要としない、かつ子供に時間を拘束されがちな行動が上位に多数入っている。「食事の片づけ」は子供に拘束はされないものの、「食事の支度」(調理)と比べれば実行ハードルははるかに低い。
一方、実行している家事・育児となると、「子供を風呂に入れる」がやはりトップで、次いで「子供の着替え」「子供の食事の世話」「食事の片づけ」が続く。「寝かしつけ」はやや拘束時間が長いこと、自分の帰宅時間と子供の睡眠時間が合致しない場合もあり、「した方が良い」とする意見と比べると低めの値が出ている。
「した方が良い」と「実際にしている」との差異が大きいのは「保育園などの送り」「迎え」。つまり子供の送迎。通勤手法や時間が合致すればやるべきだと考えていることは、「した方が良い」の値からも分かるのだが、実際には都合が合わず、なかなか実現しないようだ。
先行する別途記事でも解説しているが、夫の家事参加における最大のハードルは時間不足にあり、残業が少なくなる・職場人員に余裕ができれば、もっと多くの手伝い・代替が出来るとの意見が多い。時間に余裕が出来たとして、それを家事に充てるか否かの判断は、最終的には夫に任されることになるのだが、企業側としては妻が妊娠した後の世帯持ちに対しては、何らかの時間的配慮が求められるべきだろう。
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