出産で会社を辞めた女性達、何があれば仕事を続けてた?

2014/01/03 15:00

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内閣府男女共同参画局は2013年12月17日、「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果の速報内容を発表した。それによると第1子妊娠が分かった時には就業しており、その子が1歳になった時には就業していなかった、現在6歳未満の子供と同居中の女性で構成される調査対象母集団では、自分の就業について「保育園に子供が預けられれば、自分は仕事を続けられていただろう」と考える人がもっとも多く半数を超えていることが分かった。次いで時短勤務など職場における育児との両立支援制度、職場における仕事・家庭の両立に対する理解があれば仕事を継続できていたであろうと考える人が上位についている(【発表リリース:「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報を公表しました。】)。



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今調査のうち今件該当部分に関しては、2013年9月の時点で6歳未満の子供と同居中の女性のうち、第1子の妊娠が判明した時に被雇用者だった人を対象にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2002人。第1子妊娠時に正社員だった人は1197人、非正規社員は805人。

今調査対象母集団のうち、さらに就業継続を希望していたが第1子が1歳になった時では就業していない、つまり子供の出産の過程で会社を辞めた人に対し、どのような状況ならば仕事を継続していたと考えているかについて、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が考えていた、「これがあれば自分は仕事を続けられていたかも」という内容は「保育園などに子供を預けられれば」で55.9%に達していた。

↑ 何が実現していれば、自分は仕事を続けていたと考えているか(就業継続意向があり、就業継続しなかった人限定)(複数回答、上位陣)
↑ 何が実現していれば、自分は仕事を続けていたと考えているか(就業継続意向があり、就業継続しなかった人限定)(複数回答、上位陣)

見方を変えれば「仕事の継続を望んでいたが、子供の出産に際して退社せざるを得なかった人の多くは、その子供を保育園に預けることが出来なかった」ということになる。保育園の不足、待機児童の発生は社会問題化しており、行政をはじめ各方面で対応が進んでいるものの、まだ十分な状況にないことが、この結果からも垣間見ることができる。

次いで同意者が多い項目は、「短時間労働など、職場に育児との両立支援制度があれば」「職場に仕事と家庭の両立に対する理解があれば」「休暇が取りやすい職場だったら」。制度的、そして社内の雰囲気的に、仕事と家庭(育児)の両立に関する理解・対応が成されておらず、それが原因で辞めざるを得なかったことになる。理解といえば少々値は落ちるものの(それでも2割近くは居る)「職場で妊婦や育児に関する嫌がらせが無ければ」という、女性にとっては深刻な社内問題を理由とする回答もあり、大いに問題視されるべき状況といえる。

トップの「保育園」は行政上の問題、そして第2位以降は会社側の問題が並び、この2方面が主に「就労継続を希望する女性が、妊娠・出産を経て会社を辞めねばならなくなった理由」を生み出している。女性の就労(継続)促進を望む企業においては、大いに気を付け、対策を練り、状況改善を果たして欲しいものだ。


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