残業が多い人ほど職場の雰囲気的な問題を実感している
2014/01/03 14:00
内閣府男女共同参画局は2013年12月17日に同局公式サイトにおいて、「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果の速報を発表した。その内容によれば就業者においては、残業が多い(労働時間が長い)人ほど、職場の雰囲気に関して「一人あたりの仕事量が多い」「一部の人に仕事が偏りがち」などの業務体制に関わる部分で問題があると感じていることが分かった。また残業が多い人ほど、同僚に先駆けての退社が難しい職場上の雰囲気も見受けられる(【発表リリース:「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報を公表しました。】)。
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今調査のうち今件該当部分については、2013年9月に20歳から59歳の男女で被雇用者を対象に、インターネット経由で実施されたもの。有効回答数は3154人。正社員は2537人、非正規社員は617人。
特殊な職種を除き、就業者には法定上の労働時間が定められている。しかしその時間内で業務が終わらず、翌日以降への繰り延べが難しい場合、残業を余儀なくされる、あるいは自発的に行うことになる。一方、残業が日常茶飯事的な状況となる職場環境や、就業者自身が望まない長時間労働に関して、多種多様な問題が発生しているのも事実である。
今件項目では1日あたりの就業時間別に、職場における就業上の雰囲気を尋ねている。概して長時間労働をしている人ほど、業務体制において長時間労働を余儀なくされるような問題を抱えている「と回答者が自覚している」のが分かる。
↑ 1日あたりの労働時間別・回答者の職場の雰囲気(「有不満」は回答者の労働時間に不満あり)
具体的には長時間労働者の環境ほど、「仕事量が多い」「仕事が一部に偏りがち」「突発的な業務が生じやすい(=スケジュールが乱されやすい)」「締切や納期に追われがち」などの回答率が高くなる。中でも長時間労働の上、その時間の長さに不満を持つ人では、とりわけ高い値を示している。
長時間労働をせざるを得ない理由は今件で取り上げた事情だけとは限らないが、多分に業務体制における管理の上で、予定通りに業務を仕上げるのが困難となり、残業せざるを得ない環境下に追いやられているのが理解できる。
逆に、それらの問題を解決しうるような内容、例えば「仕事の手順などは自分で工夫しやすい」「仕事が終われば周りの人が残っていても退社しやすい」などの項目では、長時間労働者ほど回答率が低い。職場の仕組みや雰囲気の上で、余計な労働時間が必要とならないような工夫、行動を妨げる状況が、長時間労働を後押ししてしまっている可能性が示唆されている。
長時間労働者ほど高い値を示す項目は、スケジュール通りに作業を進める・スマートな業務遂行の妨げとなる要素に他ならない。業種によっては不可避な部分もあるが、多くは管理側の努力によって改善を図ることはできる。過度の長時間労働な状況における職場では、まず管理側の「仕組みの改善」が求められよう。
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