米では週平均5回は「親子そろって夕食」
2013/12/29 14:00
アメリカの大手民間調査機関【ギャラップ社】は2013年12月26日、アメリカにおける「家族そろっての夕食」に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団のうち18歳未満の子供が居る夫婦においては、平均で週5回は家族そろって夕食を食べていることが分かった。1997年以降同様の主旨で何回か調査が行われているが、この頻度に大きな変化は無い。また属性別でも大きな違いは無いが、未既婚間では既婚者の方がやや回数が多い傾向がある(【発表リリース:Most U.S. Families Still Routinely Dine Together at Home】)。
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今調査は2013年12月5日から8日にかけて、無作為標本抽出で選ばれた18歳以上のアメリカ合衆国在住の人に対し、電話による対話形式の英語・スペイン語によるインタビューで行われたもので、有効回答数は1031人。固定電話と携帯電話がほぼ半数ずつ。国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。なお今件取り上げる内容においては上記調査対象母集団のうち、18歳未満の子供を持つ夫婦からの回答集計である。
昨今では日本においてこれまで以上に問題視されている「孤食」(単純な個人のみでの食事という様式を表す「個食」ではなく、その状態を半ば強要させられたり、その状態に陥ることで心理的な孤独感、寂しさを覚える状態をも意味として含んでいる)。アメリカでも家族そろっての食事動向には注目が集まっているようで、ギャラップ社でも過去何回かに渡り夕食にスポットライトを当てて、家族と食事スタイルに関する調査を実施している。
次に示すのは夕食を家族一緒に取る頻度の動向。もっとも古い調査年の1997年で低頻度の回答率がやや低い動きがあるが、概して傾向に変化は無い。ほとんど毎日家族みんなで食事を取る世帯が過半数、高頻度が3割、半数以下が2割程度というところ。
↑ 週に何回家族揃って夕食を取るか(18歳以下の子供が居る夫婦世帯限定)
これを属性別に仕切り直し、さらに平均値を算出してグラフ化したのが次の図。全体では5.1回/週となる。
↑ 週に何回家族揃って夕食を取るか(18歳以下の子供が居る夫婦世帯限定)(属性別、平均値)
全体平均の5.1からプラスマイナス0.3ポイントという狭い領域内ですべてが収まっており、属性別で家族一緒での夕食頻度に大きな変化はないことが分かる。強いて言えば既婚者ほど回数は多く、未婚者ほど少ない。生活の安定度合による両親の多忙さが一因だろうか。多忙さという点なら、雇用形態別でフルタイム労働者の方が頻度がやや低く、この動きも納得がいく。
今件はあくまでも「18歳以下の子供がいる夫婦世帯」に限定した動きであり、例えば「夫婦だけ」「片親のみ」の世帯における食卓状況までは把握できない。しかしながらアメリカにおける夕食の孤食状況を推し量る貴重なデータとして、覚えておいても損はなかろう。
やや余談ではあるが、具体的な「家族そろっての夕食」回数のうち、ゼロ回と7回(つまり毎日)の回答率を抽出したのが次のグラフ。
↑ 週に何回家族揃って夕食を取るか(18歳以下の子供が居る夫婦世帯限定)(具体的回数、一部)
普段はまったく家族で夕食を共にしない世帯は数%に過ぎず、逆に毎日欠かさず夕食を取る世帯は4割近くに達している。奇しくも日本の類似調査の結果3割強とほぼ同じ。あるいはアメリカでも、食事における家族間のコミュニケーションについて、同じような問題を抱えているのかもしれない。
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