お金周りの詐欺経験、被害あり6%・被害はないけど経験あり16%
2013/12/28 14:00
野村総合研究所は2013年12月25日付で、生活者1万人アンケート調査の金融編に関する結果資料を発表した。それによれば調査対象母集団では、振り込め詐欺や投資詐欺のような金融詐欺について、自分自身や親族、知人が被害にあった経験を持つ人は6%に達していることが分かった。被害を受けなかったものの経験したことがある人は16%に及ぶ。具体的事例としては振り込め詐欺がもっとも多く、被害のあるなしを合わせると16%もの人が経験している(【発表リリース:「生活者1万人アンケート(金融編)」を実施】)。
スポンサードリンク
今調査は2013年8月から9月に渡って、層化確率比例抽出法(性・年代別に割り当て)で選ばれた満18歳から79歳の男女個人に対し、訪問留置法によって行われたもの。有効回答数は1万0073人。
年々巧妙化すると共に時代の流れを巧みにとらえ、時節に合った手口が使われる金融詐欺。高齢化につれて、金融資産を多く持つ一方で判断力の点で不安を覚えるお年寄りが増え、被害も深刻化している。今件調査対象母集団に対し、金融詐欺のうち主な事例「振り込め詐欺」「投資詐欺」「フィッシング」「スキミング」の4タイプを挙げ、いずれかについて自分自身、あるいは親族や知人が経験し被害にあったことがある、あるいは経験したことがある(幸いにも被害は無かった)か否かについて尋ねたところ、22%もの人がいずれか少なくとも1つの金融詐欺の経験を持つ・身近な人の経験を見聞きしたことがあると回答した。
↑ 金融詐欺の経験・見聞率
つまり5人に1人以上は自分自身か身近な人が、振り込め詐欺や投資詐欺などの金融詐欺に実際あったことを意味する。ニュースなどで見聞きするこれらの事件が、決して他人事ではない事実が分かる。さらに未遂に終わり被害が無かった事例は16%だが、実被害にあってしまった人(を見聞きした人)は6%に登っている。
これを主要事例別に見ると、「振り込め詐欺」がもっとも多く16%。ただし実害は2%に留まっている。これは同件が多分に総当たり的な形でアプローチをしており、電話を受けたものの詐欺だとすぐに分かり、適当に受け流したりすぐに電話を切った事例が多分にあるからだと考えられる。
次いで多いのは「投資詐欺」で、未遂事例は4%。電話勧誘による投資話があり、胡散臭い内容に加え、元々電話で勧誘してくる時点で怪しいので断りを入れ、かけてきた内容や企業名をネットで調べたら、典型的な詐欺グループだった……というパターンは案外多い(経験者は語る)。
「振り込め詐欺」「投資詐欺」のように直接アプローチをかけるのではなく、不特定多数のアクセスを狙い、網にかけるような形で獲物を狙うタイプ「フィッシング」「スキミング」も経験者はそれなりにいる。特に「スキミング」では被害経験者(を知っている人)が2%に届いているのには驚きを隠せない。
お金は社会生活には欠かせないもの。その事実がある以上、それを悪しき考えで奪い取ろうとする不逞(ふてい)の輩が存在するのもまた事実。彼らが張り巡らす「ワナ」にはまらないよう、くれぐれも気を付けてほしいものだ。
■関連記事:
【「新エネルギー」+「社債」=詐欺?! 国民生活センターが社債勧誘で注意喚起】
【「母さん助けて詐欺」の名称は適切か否か、データを確認してみる】
【9割は高齢者…「ダイヤモンド買え買え詐欺」国民生活センターが注意勧告】
【国民生活センター・警察庁・警視庁、便乗商法や詐欺事件に対し注意喚起】
【こりゃ巧妙だな…ロト6詐欺に注意、みずほ銀行が注意喚起】
スポンサードリンク