鉄道内迷惑行為ランキング、今年の最上位は「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」(最新)
2024/12/20 09:10


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今調査は2024年10月1日から11月30日にかけて同協会公式サイト上で行われたもので、有効回答数は5314人。男女比、年齢階層別構成比は非公開。
駅や電車は多人数が同時に参加・利用する公共の場でもある。当然道徳、倫理の類を守らないと、多数の人が迷惑をこうむることになる。今件ではそのような「鉄道施設内における迷惑行為」について尋ねている。
列挙されている事例のうち、自分が特に迷惑だと思う内容のものを3つまで挙げてもらい、その回答数を集計した結果が次のグラフ。最上位には「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」がついた。半数強の人が「迷惑だ」と感じている。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(2024年)
トップは「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」。新型コロナウイルスの流行に絡んだ結果だと思われる。行動規制は緩和されているが、多くの人が飛沫感染リスクを鑑み迷惑だと考えているようだ。報告書でも「昨年5月の外出時における行動規制の緩和を機に、電車内でマスクを外す人が徐々に増えたことで感染症に対する不安や危機感を感じた方が多く回答したとみられます」とあるが、2023年のランキングの時点ですでにその前年での第5位から第2位に順位を上げており、2024年では、より多くの人が迷惑さを感じるようになったのが分かる。第3位の「騒々しい会話・はしゃぎまわりなど」も同様の理由だろう。
第2位は「座席の座り方」。具体的には足を大きく広げたり、姿勢を崩したり、あぐらをかくなどして、座席の設計時に想定したよりはるかに大きなスペースを取り、他の人の着席を邪魔するような行為が当てはまる。さらにはお年寄りや身体の不自由な方、妊婦の方などに席を譲らない行為や、子供が靴を履いたまま座席に立つ行為も含まれる。
第4位は「強い香り」。具体的には香水や洗剤、柔軟剤、化粧品などを指しているが、報告書では「化学製品類から発せられる香りを吸うと体調を崩されるなど、特に通勤・通学時の人との距離が近く密接する満員電車内における懸念に対する回答」と分析している。今項目は前年第7位から順位を上げており、回答割合も9.3pptと大幅アップ。それだけ香水などの香りが目立つような混雑度合いとなったのか、それとも使う人が増えたのか。
第5位は「乗降時のマナー」。詳しくは後述するが、具体的には「扉付近から動かない(乗降を妨げる、奥に詰めないなど)」がもっとも多く、「乗降時のマナー」のうち66.0%を占めている。自分が出入りがしやすいようにとの考えからだろうが、他の人の乗降には大変迷惑な行為に他ならない。「ドア際族」とでも表現すべきか。
今回の調査結果に関して、男女別に見ると、いくつかの違いが確認できる。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答、上位陣、男女別)(2024年)

迷惑行為のうち上位にある「乗降時のマナー」「荷物の持ち方・置き方」について、細分化をした上でもっとも迷惑を覚える行動を示してもらった結果が次のグラフ。

↑ もっとも迷惑に感じる行為ランキング(それぞれの項目で択一)(2024年)
「乗降時のマナー」では2/3近くが「扉付近から動かない」。車両に乗り込んだら奥の方まで行けばよいのだが、混雑時には降車駅で降りられなくなるのではとの不安があり、扉付近のポジションを維持してしまう。その気持ちは理解できるが、乗降車する人には邪魔以外の何ものでもないのもまた事実ではある。
「荷物の持ち方・置き方」では「鞄などを背中に背負う」が27.3%でもっとも多い。かさばるものなだけに、特に混雑時には邪魔になり得る。「鞄などを体の前で抱える」も7.2%で入っており、それではどこで持てばいいのかと悩んでしまうが(手に持つのは重量や体積的に難しく、床や座席に置くのも迷惑行為として上位入りしている)。一方で「傘の取り扱い」も単独で23.5%と高い値を示しているのが気になるところではある。
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