これは納得、反対派が多数の「単独契約年齢の18歳への引下げ」議論
2013/12/18 14:30


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「18歳や19歳でも契約が一人で出来る」には反対多数
今調査は2013年10月10日から27日に渡り、日本国内で日本国籍を有する18歳以上の男女の中から層化2段無作為抽出法で選ばれた対象に、調査員による個別面接聴取法で行われたもの。有効回答数は3119人。男女比は1472対1647。世代構成比は10歳区切りで若い順に54人・271人・398人・513人・487人・638人・758人。
民法が定めた「成年年齢」に関する引下げ議論においては、現行法の20歳から18歳への引き下げ論が主流を成している。この論に従えば、法律行為となる契約も、18歳や19歳の人でも単独で行うことができるようになる。これについて賛否を尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 「契約を一人ですることができる年齢を18歳にすること」をどう思うか
全体では反対派がほぼ8割。前回調査の2008年からほとんど同じ状況にある。属性別では女性ほど、歳を重ねるほど反対意見が多くなる。もっとも該当しうる若年層に限ると、3割強が賛成の意を示しており、また反対派の中でも強固な反対の意見は少なめだが、それでも反対派が多数に及んでいることに違いは無い。選挙権や飲酒・喫煙などに絡んで、成年年齢の引下げには賛否両論が交わされているが、契約周りに関しては、反対派が多数と見なして問題はなさそうだ。
賛成派・反対派の主張を探る
それでは賛成派、反対派それぞれの主張理由を確認していこう。両派それぞれで3割以上が同意を示した意見をまとめたのが次のグラフ。

↑ 「契約を一人ですることができる年齢を18歳にすること」に賛成/反対した理由(複数回答、上位)
元々具体的内容を示した選択肢が賛成派では8つ、反対派では10の提示数で、反対派の意見が多くなる可能性はあったのだが、複数回答にも関わらず同意数そのものが賛成派と比べて反対派の方が多い。反対派の方がより強固な、複数事由による意図を有しているのが分かる。
賛成派の最大理由は「働いて自分で稼いだお金なのだから、自分の判断で使えるようにしてもいいではないか」とするもの。反対派の最大の理由「経済的に親に依存しているから」と相反する内容である。他にも「自分自身で判断する能力が十分である」と「自分自身で判断する能力が不十分であるから」など、賛成派の賛成理由における18-19歳への認識と、反対派の反対理由における認識が、まったく正反対の内容を示している状況が多くのパターンで確認できる。
要は18-19歳の時点ではケースバイケースとなる状況が多分にあることが、この結果からも透けて見える。これでは一律で法の下にOKを出してしまうと、問題発生事象が上の世代よりも多数発生し、さらに周囲(特に保護者)にも影響が生じてしまいかねない。18歳や19歳でも単独で法律行為をしてよさそうな人が多分に居るにも関わらず、契約行為に関して反対派が多いのは、このような状況を推し量ってのものだろう。
ちなみに反対派の人達に、どのような法令などの条件整備をすれば、18歳までに引き下げても良いかと聞いた結果が次のグラフ。

↑ 「契約を一人ですることができる年齢を18歳にすること」に関して、どのような条件整備をすれば良いのか(反対派限定、複数回答)
法令の整備よりも教育・啓蒙の充実を図るべきだという意見が多い。もっとも20歳以上の大人でも金銭周りのトラブルが多発している現状をかんがみるに、18歳への引下げ云々以前に強化すべき対象には違いない。
そしてそれらの意見よりも「どのような条件が整備されても反対」とする意見が多い。反対理由そのものの多くが、啓蒙や教育では解決しえない条件であることを考えれば、納得の行く反応といえよう。
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