費用が高すぎ、立地が悪い、水回り…住宅選択後の後悔点

2013/12/16 11:30

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セルコホームでは2013年12月10日、「子供の成長と住宅選び」に係わる調査結果を発表した。その内容によると高校生以下の子供が居る中堅層までの世帯の調査対象母集団のうち、実家住まい以外の人においては、現在の住宅を選ぶ時に重視せず、今になって後悔している最上位の項目として「予算・価格(購入費、家賃が高すぎた)」を挙げる人がもっとも多いことが分かった。3割強の人が予算や価格で後悔している。次いで「立地(周辺環境・施設)」「水回りの使い勝手」「居住空間の広さ」が続いている(【発表リリース:「子どもの成長と住宅選びに関する調査」】)。



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選んでからの後悔、最上位はお金周り


今調査は2013年11月21日から26日に渡り、高校生以下の子供がいる25歳から44歳の男女に対し、携帯電話を用いたインターネット経由で実施されたもの。有効回答数は2000人。男女比・5歳区切りの世代区分で均等割り当て。一戸建て・集合住宅居住比率は51.2対48.8。持家率39.6%、賃貸率45.4%、実家住まいは15.1%。調査実施機関はネットエイジア。

今調査対象母集団のうち実家住まい以外の人、つまり現居住空間を何らかの理由で選択した人に対し、選ぶ際に重視をしなかったため、今になって悔やんでいる事柄について、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。最上位は「予算・価格(購入費、家賃が高すぎた)」で、32.0%の人が同意を示している。

↑ 現在の住宅を選ぶとき重視せず、後悔していること(複数回答、実家住まい以外)
↑ 現在の住宅を選ぶとき重視せず、後悔していること(複数回答、実家住まい以外)

住宅を購入した場合は一括支払いならともかく、大抵の場合は何年にも渡るローン返済が待っている。賃貸の場合は当然毎月の家賃の支払いをする必要がある。いずれも家計を確実に圧迫するもので、この高負担に頭を抱えている人の数が「住宅選択の際にもっと良く考えておけばよかった」との想いに関しては、もっとも多いことになる。

次いで多いのは「立地(周辺環境・施設)」。住宅そのものが広くて日当たりも良く快適でも、辺ぴな場所に建設されていたのでは、日々の生活で難儀をすることになる。一番近いお店まで5キロも歩かねばならない、鉄道の駅までバスを使っても30分かかる、病院は隣町まで行かないと無いなどなど。選択の際には「住む家自身が良ければ、周辺環境は何とか妥協できる」と考えていても、いざ実際に住んでみると色々とあらが出てきてしまうものである。

第3位以降は住宅そのものの要件が続いている。「水回りの使い勝手」「居住空間の広さ」「湿気対策」「内装」「間取りの柔軟性」。水回りや広さ、内装、間取りの柔軟性は選択前にある程度確認が出来るが、湿気対策は細かいチェックをしておかないと確認が難しく、むしろ住み始めてから気が付く場合が多い。対策が十分でないと室内が色々と面倒なことになるので、業者に詳しく尋ねておくことをお勧めする。この点では見た目では分かりにくい「遮音性」も同じである。

お金で「ぐぬぬ」は変わりないが…一戸建て・集合住宅それぞれの後悔


今件について、「持ち家で」現在の居住環境別に再区分した結果が次のグラフ。賃貸住宅に住んでいる人は対象外となっていることに注意。

↑ 現在の住宅を選ぶとき重視せず、後悔していること(複数回答、実家住まい以外)(持ち家で現在居住環境別)
↑ 現在の住宅を選ぶとき重視せず、後悔していること(複数回答、実家住まい以外)(持ち家で現在居住環境別)

「予算・価格」で後悔している人が一番多いのは両環境とも同じ。「立地」「居住空間の広さ」「水回りの使い勝手」も双方でほとんど変わりなし。

一方、「内装」「間取りの柔軟性」「耐震・躯体・工法」「外観」「住宅設備」「光熱費などのランニングコスト」「高断熱・高気密」など多数の項目で、一戸建て居住者の方が集合住宅居住者よりも後悔している割合が多い。元々これらの項目は多分に一戸建ての方が柔軟性に富んでいるはずなのだが、それだからこそこだわりが足りなかったと悔やんでいる部分が多いのかもしれない。

集合住宅の方が多分に高い値を示しているのは「湿気対策」「遮音性」「住み替え・購入のタイミング」。いずれも集合住宅ではありがちなトラブル、問題点であり、それなりに考慮はしたはずだが、それでもなお後悔するレベルでの問題が生じているようすがうかがえる。



すべての要件でパーフェクトに満足が行く住宅を得るのは、一戸建てでも集合住宅でも不可能。予算に糸目を付けなければ他の要素はほぼ完全に充足できるが、肝心の予算が青天井になることは必至。まさに「あちらを立てればこちらが立たず」状態。

住宅購入時に限らない話ではあるが、居住環境を選ぶ際には「これだけは外せない」という条件、「比較的高い優先順位を持たせない」とする条件を選択し、それらを重点的に考慮した上で選ぶのが望ましい。その優先順位は、個人が置かれている現状によって異なるため、「この順位がベスト」というものは無い。特に住宅購入の際は、多くの人にとって一生に一度の買物になるのだから、慎重に選ぶことをお勧めしたい。


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