子育てに必須な住環境、トップは病院や商店など生活施設の充実
2013/12/16 08:30
セルコホームは2013年12月10日付で、子供の成長と住宅選びに係わる調査結果を発表した。その内容によれば高校生以下の子供が居る若年から中堅層世帯で構成されている調査対象母集団では、子育てのために外せない住環境として「近隣の生活施設(病院・ショッピング施設・図書館など)が豊富」な点を挙げる人がもっとも多かった。ほぼ2/3の人が同意を示している。次いで「安全な通学路」「近隣に保育所・幼稚園が整備されている」などが続く。男女別では概して女性の方が高回答率となっている(【発表リリース:「子どもの成長と住宅選びに関する調査」】)。
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生活施設の充実、安全な通学路、そして保育所などの整備
今調査は2013年11月21日から26日に渡り、高校生以下の子供がいる25-44歳の男女に対し、携帯電話を用いたインターネット経由で実施されたもの。有効回答数は2000人。男女比・5歳区切りの世代区分で均等割り当て。一戸建て・集合住宅居住比率は51.2対48.8。調査実施機関はネットエイジア。
長年お付き合いすることになる住宅を選ぶ際には、住宅が配される周辺環境にも気を配る必要がある。住宅そのものが非常に立派で各機能に優れていても、周辺に何もない、陸の孤島的状態だとしたら、日々を暮す場所としては不都合極まりないものとなる。住宅選択には建物そのものはもちろんだが、地域社会・周囲環境まで見定めねばならない。
そこで子育てのためには外せない住環境について尋ねたところ、もっとも多くの人が同意を示したのは「近隣の生活施設(病院・ショッピング施設・図書館など)が豊富」だった。65.2%の人が同意を示している。
↑ 子育てのためには外せないと思う住環境の条件(複数回答)
人は住宅だけで生活できるわけでは無い。身体の不調を覚えたり、不意にケガをした場合を考えると、近所に病院があった方が良い。コンビニがあれば大体要は足りるが、スーパーや商店街があれば生活はより一層潤いを得ることになる。図書館や公園、劇場、公民館のような公共施設は子供の情緒教育にプラスとなる。これらはすべて自分自身の住宅では内包できないため、周囲に整備されているか否かが重要なカギとなる。
次いで多い意見は「安全な通学路」。子供が日々行き来する通学路が大通りに併行していたり、防犯上問題がある場所を横切るのでは、保護者としても不安を抱いてしまう。さらに「保育所・幼稚園の近隣整備」「子供の遊び場が豊富」など子供に焦点を当てた項目が上位に並ぶ。
案外盲点なのが「良好なご近所関係」。集合住宅にしても一戸建てにしても、近隣世帯を選ぶことは出来ない。そして物件として販売されている時点では、生活施設や通学路、各種公共施設についてはカタログなどに記載されている、地図などで調べることが出来ても、ご近所の動向は実際に住んでみるまで分からない。多分に「当たるも八卦」的なところがあるものの、一度その住環境を選ぶと長年付き合わされることになるため、子供のためにも良好な関係を望みたくなるというもの。
子供のことを想うと…女性の要望は強い
今件を回答者の性別で区分した結果が次のグラフ。
↑ 子育てのためには外せないと思う住環境の条件(複数回答)(男女別)
「特にない」以外すべての項目で女性が男性を上回っている。子育て世帯では子供と共に居る時間が男性よりも長い女性の方が、より子供に関わる要望が強くなると考えれば、何も不思議な話では無い。
また、日常生活の中で接触頻度が高い項目、例えば「生活施設の充実」「良好なご近所関係」、子供の養育に深くかかわる「安全な通学路」「保育所・幼稚園の近隣整備」「育児支援が充実した自治体」では、男女差がより大きなものとなっている。子育ての最前線にいる女性だからこそ、何がより一層必要で、今現在、あるいは世間一般的に不足しているかに敏感で、強い願望を抱くのだろう。
特に「育児支援が充実した自治体」は突出しており、女性に限れば「職場へのアクセスが容易」「親・義親の近く」よりも高い値を示している。見方を変えれば、それだけ自治体などからの育児支援が強く求められているといえよう。
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