子育て、コスト面で比較…一戸建てと集合住宅、どちらを選ぶ?
2013/12/15 14:00
セルコホームは2013年12月10日、子供の成長と住宅選びに関する調査結果を発表した。それによると高校生以下の子供を有する若年から中堅層世帯で成る調査対象母集団においては、集合住宅よりも一戸建てに住みたい人の方が多数を占めていることが分かった。現在集合住宅に住んでいる人でも、8割近くが「自分自身は一戸建てに住みたい」と答えている。子育ての上でも一戸建ての方が適しているとの意見が圧倒的だが、ランニングコストの面では一戸建てと集合住宅がほぼ同率の支持率を得る結果が出ている(【発表リリース:「子どもの成長と住宅選びに関する調査」】)。
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今調査は2013年11月21日から26日にかけて、高校生以下の子供がいる25-44歳の男女に対し、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2000人。男女比・5歳区切りの世代区分で均等割り当て。一戸建て・集合住宅居住比率は51.2対48.8。調査実施機関はネットエイジア。
居住用住宅を住宅の形態別に大別すると、一戸建てと集合住宅に分けることができる。「一国一城の主」という言葉には一戸建ての方がマッチするが、双方一長一短があり、片方が一方的に優れているとは言い難い。そこで複数の視点で、しかも現在住んでいる住宅形態別に、どちらが良いかを尋ねたのが今回スポットライトを当てた項目。
まずは純粋、総合的に、どちらの形態住宅に住みたいか。現在住んでいる形態が優位に立つというイメージがあるが、案外そうでも無かった。
↑ 回答者自身が住みたいのは「一戸建て」か「集合住宅」か(現在居住の住宅形態別)
現在一戸建てに住む人は大半が「一戸建て」に住みたい、つまり現状に満足している。ところが集合住宅に住んでいる人でも8割近くは「一戸建て」に住むことを望んでいる。つまり現在の住まいを選択したのは、次点的、妥協した結果であり、可能ならば「一戸建て」を望んでいるということになる。集合住宅に現在住んでいて、その形態を望む人は2割強でしかない。
また今調査対象母集団は子供を有している人で構成されているため、切実な問題となる子育てについても、「一戸建て」を支持する人は多い。
↑ 子育てに適しているのは「一戸建て」か「集合住宅」か(現在居住の住宅形態別)
回答者の個人的な所感以上に、「一戸建て」への傾注度が強い。詳しくは別の機会で解説するが、子育てに欠かせないと考えている住宅の条件として「日当たり」「遮音性」「耐震性」「風通し」「高断熱・高気密」「見通しの良い台所」「広々としたリビング」などが挙げられており、これらの点で融通が利きやすい「一戸建て」が求められているのだろう。また単純に、居住空間として独立性が高いのも一因と考えられる。
「ここまで一戸建てが好かれている、望まれているのなら、もっと集合住宅を選んで住む人が多いのでは」とも思うのだが、現実はそうでない。その理由の一端をうかがいしれるのが次の設問。
↑ ランニングコスト(維持・修繕費・光熱費)などが有利なのは「一戸建て」か「集合住宅」か(現在居住の住宅形態別)
現在一戸建てに住んでいる人はやや「一戸建て」が優位にあるが、集合住宅居住者はほぼ6割が「集合住宅」の方が安上がりで済むと答えている。居住環境の上で「一戸建て」の方が優れているのは理解していても、金銭面で考えると集合住宅の方を選んでしまうという次第である。
無論他にも初期投資費用や防犯、コミュニティ、管理のし易さなどなど、「集合住宅」の方が有利に見える面はある。とはいえ、定期的に発生するコストは生活の上で非常に重要な問題であり、だからこそ住宅の形態選択時にも大いに影響を及ぼす要素となるのだろう。
もちろん見方を変えれば、コスト面さえ妥協、問題をクリアできれば、より多くの人が一戸建てを選ぶということになるのだが……。
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