芸能ネタやテレビ番組、事件事故…家族で囲む食卓での話題とは

2013/11/25 11:30

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パルシステム生活協同組合連合会は2013年11月20日、同会公式サイト上において、家族の食卓に関する調査結果を発表した。それによると、家族全員で食卓を囲む際に話題に登るネタとしてもっとも多いのは「芸能ネタ・テレビ番組」だった。「事件・事故」「家族でのお出かけ」が続く。また子供の世代別で子供に関する内容を見ると、子供の成長に連れて話題も移り変わっていく様子がうかがえる(【発表リリース:「家族の食卓に関する調査2013」を集計しました】)。



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家族の食事で話題に登るネタは芸能・テレビ番組


今調査は2013年11月1日から5日に渡り、携帯電話を用いたインターネット経由で、20代から50代の既婚女性に対して行われている。有効回答数は1000件。世代構成比は10歳区切りで均等割り当て。調査対象母集団中、子供を有する世帯は82.3%。調査機関はネットエイジア。

先行記事【「毎日必ず夕食を家族で」は36%、出来ない理由は「夫の仕事」】で記した通り、今調査対象母集団では毎日家族そろって食卓を囲む世帯は朝食で25%、夕食では36%。頻度を考慮しなければすべての世帯が家族で食卓を囲む機会を有している。

↑ 家族で食卓を囲む回数(再録)
↑ 家族で食卓を囲む回数(再録)

今回はその「家族で食卓を囲む」際における話題にスポットライトを当てている。家族皆で食事をする際、一言も語らずに黙々と食事をするのみという事例はほとんど無い。むしろ食事をしながらコミュニケーションを楽しむのが、家族そろっての食事の存在意義、意味ともいえる。その際、話題としてどのような話が登るのかを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 家族で食卓を囲む際の話題(複数回答)
↑ 家族で食卓を囲む際の話題(複数回答)

他項目を抜きんでる形で最上位についているのが「芸能ネタ・テレビ番組」。6割近い既婚女性の世帯が、この話題を食事時に語ると答えている。内容の取得ハードルが低く、家族誰もが知っていることから、言葉のキャッチボールの素材にはぴったりなのだろう。見方を変えればテレビは家族のコミュニケーションツール、対話ネタの提供元として未だに重要な位置を占めていることになる。

次いで多いのは「事件・事故」。こちらもテレビや新聞、さらには実見分やインターネット経由など、多種多様なルートで容易に取得でき、概して客観的に語れるところから、共通の話題として展開しやすい。性質的にはトップの「芸能ネタ・テレビ番組」に近いところがある。似たような項目としては「政治」「経済」「文化・芸術」「国際情勢」などがあるが、回答率はさほど高くない。皆が知っており話に乗りやすく、しかもあまり深く、熱く語られることが無いテーマが好まれるようだ。

上位2項目はいわば他人事だが、第3位以降は「家族でのお出かけ」「学校・幼稚園」「近所・地域」など、家族に直接関係がある内容が続く。「家族でのお出かけ」は楽しかった非日常の経験、「学校・幼稚園」は子供にとって一日の多分を過ごすことになる日常での経験と、相反する項目だが、食事時の話のネタとしてはほぼ同列に扱われている。

子供の成長と共に変わる食卓での話題


今件調査対象母集団のうち、子供がいる世帯に限定し、その子供(末子)の世代別に再集計を行い、さらに話題の対象を子供関連に絞って生成したのが次のグラフ。

↑ 家族で食卓を囲む際の話題(複数回答)(末子の学校区分別、子供に関する話題抜粋)
↑ 家族で食卓を囲む際の話題(複数回答)(末子の学校区分別、子供に関する話題抜粋)

小学生までは幼稚園や学校など就学中の場所に関する話が多く、特に小学生では3/4近くが話題に登っている。中学生になると最上位が学校そのものよりも友達にスライドし、子供の人格形成がある程度進んで交友関係も広く深くなり、家族との食事の中で語れることが増えている状況が推測できる。

学業関連に的を絞ると、将来・進路は中高生、勉強や成績は小学校から高校生、習い事は小中学生で高い値を示す。高校生で習い事の話題がピタリと止むのは、ほとんどが学習塾のみとなり、その内容は保護者との会話には適切で無いと判断しているからだろう(塾での受験勉強の中身について食卓で話し合っても、会話が弾むようには思えない)。あるいは学習塾は「習い事」とは認識していない可能性もある。

また、「子供の将来・進路」で乳児における値がやや高めなのが目に留まる。乳児が直接会話に参加できるはずは無く、保護者が乳児を目の前に、その子の将来について語り合う情景が目に浮かんでくる。

大学生や社会人にまで成長した子供との食卓での話題は、子供関連のものとしては概して少ない。ただし友達関連や将来・進路はそれなりの値を示している。場合によっては子供自身にとって、耳の痛い話が交わされているのかもしれない。

なおグラフ化は略するが、末子の世代別に見ると「マンガ・アニメ」は小学生の世帯でもっとも多く25.8%。「ゲーム」もやはり小学生が最多回答層で、22.7%が話題にしている。小学生にとって日常生活の中で、これらの娯楽がいかに重要な位置にあり、保護者に語りたくてたまらない状態にあるかが分かる結果といえよう。


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