「ヤツには知られたくない」米ネット利用者の情報秘匿対象
2013/11/07 15:45
アメリカの大手民間調査機関【Pew Research Center】は2013年9月5日に、同国内のインターネットを利用する際におけるプライバシーやセキュリティにまつわる調査報告書【Anonymity, Privacy, and Security Online】を公表した。今回はその報告書の中から、ネットを利用する際に自分の行動や素性を隠ぺいしたい対象について見ていくことにする。
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今調査に関する調査要件については、先行記事の【2/3が「クッキーや履歴削除」…米ネット活動でのプライバシー保護行動】を参照のこと。
インターネットでは多種多様なことができるが、当然プライベートな挙動も多くなる。自分の行動性向を意図しない第三者に知られたくない、プライバシー権を行使したいとの想いが生じるのは当然の話。ただし自分以外のすべての対象に対し、すべての事柄について知られたくないわけでは無い。例えば「ブラウザの履歴は誰にも知られたくないが、自分の素性・本名は特定の親しい友人になら知られても構わない」という具合である。
次のグラフは各対象に対し、自分の素性や行動について、その情報を取得されないようにした経験があるか否かを聞いたもの。例えば「広告関係者」は28%とあるので、インターネット上の広告に自分の履歴を基にした内容のものが表示されないよう、クッキーや履歴を削除したり利用をブロックした経験がある、あるいは広告目的のアンケートでメールアドレスの入力を求められて止めた人が28%に及ぶことなる。
↑ 次の対象から自分の素性や行動を隠ぺいしようとした経験はあるか(世代別)(米、2013年7月、インターネット利用者限定)
もっとも多いのはハッカーや犯罪者に対する行動で33%。具体的な事例は報告書には無いが、例えば彼らからの防護を明確に意図した上でセキュリティソフトを導入するのが一例として挙げられるだろうか。
次いで多いのは「過去の知り合い」で19%。「今の」では無いところを見ると、何らかのマイナス的な要因で現在では知り合いで無く、今何をしているかを知られたくないとの想いがあるのだろう(報告書にも女性は男性よりもこの項目で高い値を示している(23%、男性は16%)とあり、多分に過去の恋人が該当するものと思われる)。またこれに類似する形で「特定の友人」「家族や恋人」からの秘匿経験もそれなりに高い。
上記で例示した「広告関係者」の値も高い。一度捕捉されると山ほどのダイレクトメールと付き合わざるを得なくなる、そんなのは勘弁との気持ちは、毎日数十通、数百通ものスパムメールを受け取る人ならば良くわかる。
一方、公的機関や悪意のないものに対する秘匿経験は低め。意外なのは「上司や同僚」の値がかなり低いこと。知られるとマズいことそのものをしていない、ということなのだろうか。
世代別に見ると概して若年層の方が隠ぺい率が高い。特に対人系項目で他世代と比べて大きな値を示している。これは先の「2/3が「クッキーや履歴削除」…米ネット活動でのプライバシー保護行動」でも記した通り、若年層は「公開したくない自分自身の情報は強い意志で秘匿しようとする」傾向に沿った結果といえよう。
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