2/3が「クッキーや履歴削除」…米ネット活動でのプライバシー保護行動

2013/11/07 08:45

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アメリカの民間大手調査機関【Pew Research Center】は2013年9月5日付で、同国内のインターネット上におけるプライバシーやセキュリティに関する考え方の動向調査報告書【Anonymity, Privacy, and Security Online】を公開した。それによるとプライバシー保護の為にブラウザー上のクッキーや履歴を削除したことがある人は、インターネット利用者のうちほぼ2/3もいることが分かった。世代別では概して若年層の方が、ネット上のプライバシーへの対応を積極的に行う傾向が見られる。



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クッキーや履歴削除は64%、書込み内容の編集削除は41%


今調査は2013年7月にアメリカ合衆国内に居住する18歳以上の男女に対し、電話経由のインタビュー形式で英語にて行われたもので、有効回答数は1002件。回答者が用いていた電話は固定電話502、携帯電話500(そのうち268件は固定電話を有していない)。各結果は国勢調査によるウェイトバックが行われている。

世界中の情報を瞬時に取得できる、魔法の技術ことインターネット。そのネット世界にアクセスできるブラウザや電子メールをはじめとする様々なツールやサービスは、同時に自分自身の情報を世界のそこかしこから取得されるリスクを持つ。中には自分が意図していなかった情報が他人に用いられ、不愉快な想いをすることもある。

今件はインターネットを利用するにあたり、自分のプライバシーを保護するために普段からどのような行動をしているか、した経験があるかを尋ねた結果。主要な手段のうちもっとも多くの人が行っていたのは「クッキーやブラウザの履歴の削除」だった。

↑ プライバシー保護のためにしていること(米、2013年7月、インターネット利用者限定)
↑ プライバシー保護のためにしていること(米、2013年7月、インターネット利用者限定)

ブラウザーの履歴は自分自身の行動性向を如実に表す。他人にはとても披露できないページを閲覧していることもあるだろう。それが家族や知人、さらには第三者に知られてしまったら……まるで自分の性癖が周辺に暴露されてしまうようなものだ。昨今ではプロモーションという大義名分のもと、自分のネット上の行動性向(特に再生動画の内容)をツイッターやFacebook経由で自動的に第三者へ知らせてしまうウイルスのようなアプリの存在も確認されており、油断も隙もない。

第2位の「ブラウザーのクッキー周りの設定」も、ブラウザによるサイトめぐりの際の注意事項であり、本質的にはトップ項目と変わらない。中にはクッキーを用いて行動性向を推し量り、「適切な広告」を展開するものもあるが、概して突っ込みどころが多い内容が表示され、痛し痒しな状態となる。

同率で次いで多いのは「過去に書きこんだ内容の削除や編集」で41%。勢いで書きこんだ内容に問題があることが後で分かったり、状況に変化が生じて公開してはマズい話となったため、記事やコメントの編集や削除をした経験がある人は多いのではないだろうか。

ウェブサービスを利用する上での慎重な行動を示す「実名を求めてくるサイトを利用しない」「仮の名前やメールアドレスを使う」「匿名でのコメント投稿」の回答も比較的多い。実名には実名なりのメリットも多いが、リスクもその分多くなる。双方を天秤にかけ、リスクの方が傾くような事例なら、使わない、あるいは匿名を用いるという選択肢を選ぶ人は多い。

より慎重な若年層


今件回答の上位陣について、世代別に回答率を見たのが次のグラフ。

↑ プライバシー保護のためにしていること(米、2013年7月、インターネット利用者限定)(世代別)
↑ プライバシー保護のためにしていること(米、2013年7月、インターネット利用者限定)(世代別)

少なくとも上位陣に関しては、いずれも若年層の方が高い回答率を示している。特に「過去に書きこんだ内容の削除や編集」では他世代と比べ飛びぬけて高い値が確認できる。「若さゆえの過ち」が多いと表現すればそれまでだが、多分に実生活同様、ノリと雰囲気と勢いで行動してしまい、後で悔やむ事例が多々あることを想像させる。

詳しくは別の機会で解説するが、若年層は自分の創生物に対し実名を添付して披露する事例も多い。これもノリの部分はあるが、むしろインターネット上で自分を披露したい、アピールしたいとの気持ちが大きいことが分かる。あるいはインターネットの特性、長所を上手に活用する手立てを心得ている。

つまり「自分の意志で自分の情報を公開し広めたい」一方で「自分の意志に無い、考慮の範囲外の情報は極力隠したい」意志が、若年層においてはとりわけ高いことになる。情報の披露と秘匿を上手に使い分けている・分けたいということだろうか。


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