増える米自作写真・動画投稿者、若年層は8割を超える

2013/11/06 08:45

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米大手調査機関【Pew Research Center】は2013年10月28日に同社公式サイトにおいて、同国内のインターネット上における画像(写真)や動画の共有に関する調査報告書【Photo and Video Sharing Grow Online】を公開した。それによると調査対象母集団においては、52%の人が自分で撮影した写真や作成した画像を投稿した経験があり、26%が自分で撮影した動画の投稿経験があることが明らかになった。写真と動画少なくともいずれか一方の投稿者(報告書では「クリエイター」と呼んでいる)は54%となり、1年前と比べて8%も増加を示し、過半数を超えることとなった。



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今調査は2013年10月3日から6日にかけて18歳以上のアメリカ合衆国内居住者に対して、電話経由での通話インタビュー形式で英語にて行われたもの。有効回答数は1000人。そのうちインターネット利用者は852人、携帯電話(一般携帯、スマートフォン双方を含む)保有者は941人。

インターネット環境の整備やネットを使える端末の高性能化、そしてスマートフォンをはじめとするモバイル系ネット端末の普及に伴い、写真や動画の撮影に関するハードルは著しく下がり、さらにインターネット上に投稿することも容易となった。今件では自作の写真(自分で撮影した、あるいはさらに加工を施した写真)や、自分で撮った動画(その動画を編集したものも含む)の投稿性向について尋ねている。

↑ 自作写真・動画投稿者(米、インターネット利用者限定)
↑ 自作写真・動画投稿者(米、インターネット利用者限定)

わずか1年の間に写真投稿経験者は7%ポイント、動画投稿者は8%ポイントも増加。いずれか少なくとも一方の経験者(「クリエイター」と呼称)も8%ポイント増と大きな伸びを示している。アメリカではインターネットユーザーの過半数が、自前の写真なり動画を撮り、ネット上に投稿する時代がすでに到来している。

これを属性別に見たのが次のグラフ。

↑ 自作写真・動画投稿者(米、インターネット利用者限定)(2013年、属性別)
↑ 自作写真・動画投稿者(米、インターネット利用者限定)(2013年、属性別)

デジカメなりハンディビデオで撮影した写真・動画をパソコンに取り込み、必要ならば編集をして、それからアップロード…という手間と比べ、携帯電話、特にスマートフォンならすべての動作が一つの端末で完結できる。しかもスマートフォンは撮影の意志を問わず常に持ち歩いているから、シャッターチャンスに恵まれる機会も飛躍的に多い。詳しくは機会をあらためて解説するが、Instagramをはじめ、スマートフォンでのネットへの投稿をインスタントカメラでの撮影並に容易する、個性的なアプリケーションも多数存在する。特に好奇心旺盛で行動力に満ちあふれ、スマートフォンの所有率も高い若年層に、写真や動画の投稿率が高いのも当然といえる。

また、男女別では女性の方が写真・動画共に投稿性向が高い。ソーシャルメディアのようなコミュニティへの参加傾向同様、映像系への積極性は女性の方が長けている。一方、学歴や世帯年収別では大きな差異は見られない。一番よく使われるスマートフォンの所有率は、高学歴・高年収ほど高いはずだが、その差を覆すほど低学歴・低年収層での投稿意欲が高いのかもしれない。

写真・動画を合わせた「クリエイター」率を見ると、各属性の特徴が良くわかる。

↑ 写真・動画少なくともどちらか一方の投稿者(米、インターネット利用者限定)(2013年、属性別)
↑ 写真・動画少なくともどちらか一方の投稿者(米、インターネット利用者限定)(2013年、属性別)

学歴・世帯年収の差はほとんど無く、世代間格差は大きく、男女では女性の方が積極的。この類の調査では必ずといってよいほど生じる学歴差・年収差がほとんど無いのは非常に興味深い。また見方を変えると、学歴、年収に区別されることなく、ネット利用者の過半数が自分の写真や動画をネット上に投稿しているという点で、「マルチメディア投稿時代」の実態を再確認できる。



日本ではこの類の調査はあまり見聞きしない(特に学歴別・年収別に区分したものはなかなか無い)。スマートフォンの前の世代の携帯電話が、アメリカのような「本当の意味での携帯できる電話+SMSが使える程度のネット対応」ではなく、「インターネット機能やデジカメ機能も備えた、半ばスマートフォン的なマルチメディアフォン」の事例が多いことから、写真や動画の撮影に対する抵抗感は極めて低いものと考えられる。

ネットへの投稿となると話はまた異なるため、撮影者イコール投稿者になるとは限らない。しかしパソコン経由での投稿状況も合わせて考えると、日本でも概して今件調査とほぼ同じような結果が出るのではないだろうか。


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