電子書籍利用率約2割、利用端末はスマホが一番
2013/11/01 08:45
ライフメディアのリサーチバンクでは2013年10月30日付で、読書に関する調査結果を公開した。その内容によれば調査対象母集団では、過去1年間に電子書籍(雑誌や漫画は含まず)を利用した経験がある人は約2割に届いていることが分かった。そのうち8%近くは有料購読で利用している。また利用した端末はスマートフォンがもっとも多く、次いでパソコン、タブレット端末が続いている(【発表リリース:読書に関する調査】)。
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無料は16%、有料8%、「知らない」人も1割強
今調査は2013年10月18日から23日にかけてインターネット経由で、10代から60代の男女に対して行われたもの。有効回答数は1200件。男女比、世代構成比(10歳区切り)で均等割り当てが行われている。なお今件における「電子書籍」にはネット経由で配信される雑誌や漫画
今調査対象母集団に対して過去1年間に電子書籍を利用した経験があるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。有料・無料を問わず読んだ人は20.8%。未経験者は68.3%となった。
↑ 過去1年間に電子書籍を利用したか
男女別では男性の方が利用率が高い。特に有料購読率が男性で10.5%・女性5.1%と、ほぼ2倍近い差を見せている。仕事などで必要に迫られて購読している事例や、購入プロセスのハードルの高さ、さらには先行記事【かしこい女性が本の調達に使うのは……?】で解説しているように、女性は書籍購読に際する対価を敬遠する傾向が強いことから、有料購読率が低くなっているものと思われる(実際、無料購読に限れば14.3%で、男性の18.0%と大きな差は無い)。
電子書籍の利用端末はスマホが一番
それではこれら電子書籍利用者は、どのような端末で購読しているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 電子書籍の利用端末(過去1年間に電子書籍を利用した人限定、複数回答)
もっとも多く使われているのはスマートフォンで5割近く。次いでパソコンが4割、タブレット機が1/4と続く。電子書籍の購読という観点では、すでにスマートフォンはパソコン以上のポジションに座している。閲覧できる面積ではパソコンの方がはるかに上なのだが、それ以上に機動性の高さが好まれているのだろう。昨年から急速に浸透しはじめた電子書籍リーダーだが、現時点では1割強。今後の浸透に期待したい。
男女別に見るとスマートフォンやパソコンでは大きな違いはないものの、タブレット端末や電子書籍リーダーでは男性の方が高い利用率を示している。これらデジタル機器の所有率そのものが大きく影響していると考えれば、道理は通る。
詳しくは後日精査するが、この一、二年で電子書籍を取り巻く環境は大きく変化しており、それに伴い利用端末にも変化が見受けられる。昨年同時期に行われた同様の調査ではパソコンがトップ、次いでスマートフォン、その次には携帯電話(一般携帯電話、フィーチャーフォン)がついていた。電子書籍にも紙の書籍同様の機動力が求められていることを考えると、今後さらにスマートフォンへのスライドは進むことになるだろう。
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※2013.11.01. 13:55 電子書籍の領域について定義の訂正を行いました。
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