大学生のバイト一番人気は「コンビニ・量販店」
2013/10/29 15:45
東京工芸大学は2013年10月24日、「イマドキのキャンパスライフに関する調査」結果を発表した。それによれば4年制大学の在校生から成る調査対象母集団においては、経験のあるアルバイトの職種でもっとも多いのは「コンビニ・量販店の店員」だった。アルバイト経験者の3割近くが該当する。次いで「一般飲食店」「家庭教師・塾講師など」が続く。アルバイトを選ぶ際に重要視した点としては「時間の配慮」がもっとも多く、「稼げる」「楽しめる」が続いている。現在30代・40代の大学卒業生の在学時の心境と比べると、コストパフォーマンスよりも内容に重点を置く傾向が見受けられる(【東京工芸大学:ニュースリリース一覧ページ】)。
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大学生人気バイトはコンビニや飲食店
今調査は2013年10月2日から8日にかけて4年制大学に在学する人を対象に、携帯電話経由のインターネット調査方式で行われたもので、有効回答数は800人。男女比、学年比は均等割り当て。また同時に行われた大学卒業生に対する調査は30代・40代を対象に同様のスタイルで実施され、有効回答数は200人。男女比・10年区切りの世代区分で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
大学生活の特徴の一つにアルバイトがある。無論大学側でカリキュラムを組んでいるわけでは無く、また理工学系は教科の関係で難しいところもあるが、文系は概して時間に余裕を持てるため、あるいは生活費や遊興費をねん出する必要から、大いにアルバイトに勤しむことになる。労働をこなして対価を得るという貴重な経験が出来るだけでなく、企業の中で働く社会学習、実地訓練的な意味合いも持つ。
今件調査対象母集団のうち、アルバイトの経験者(現在進行中も含む)は74.9%。その人たちに、経験したことがあるアルバイトの職種を尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多い職種は「コンビニ・量販店」で27.2%の人が経験あり、と回答している。
↑ 在学中に行ったことがあるアルバイト(複数回答、バイト経験者限定)
コンビニは店舗数そのものも多く、バイト募集は常に行われている。また生活に身近な存在のため、親しみやすいのもバイト先として好まれる一因だろう。
次いで多いのは「一般飲食店」で26.5%。こちらもアルバイト先としては常連なのに加え、大学の周辺には学生向けの食堂が多いこと、さらには「まかない」の食事が期待できるのもポイントが高い。
不特定多数を相手とする接客業が続いたが、第3位には「家庭教師・塾講師など」が入っている。大学生としての箔を大いに活用できること、自身の学力に自信があればコストパフォーマンスの良い案件を受けられることなどがメリット。かつてはもう少し家庭教師のバイト人気が高かったように思えるのだが、今時分ではコンビニなどの方が受けは良いようだ。
以後「居酒屋・バー」「イベント・キャンペーンスタッフ」「ファストフード」など、アルバイトをしている人を良く見かける職場が上位を連ねている。場所によってはキツい作業になる場合もあるが、概して軽労働のものが人気のようだ。
バイトのトレンドは「稼ぎ」よりも「内容」へ
これらアルバイトの職種を選ぶ際に、どのような点を一番重視するかについて聞いた結果が次のグラフ。現在30代・40代の大学卒業生に尋ねた結果も併記している。
↑ 在学中のアルバイトでの最重要視点
「時間の融通」「稼げる」が上位2位を占めることに変わりは無い。以下「楽しめる」「将来の仕事や就活に有益」な点も現役・卒業生共に順位変動は無し。
一方で現役・卒業生の各項目の回答率を見ると、現役は卒業生と比べて
・減少……時間の融通、稼げる、出会いがある
という動きが見られる。昔の大学生と比較して今の大学生はアルバイトに対し、金銭周りや時間の融通さという直接的な対価的な面よりも、楽しく職をこなせ将来にもプラスとなるなど、仕事内容への重点が置かれているように見える。
この動きは学生本人に金銭的な余裕があるからこそなのか、仕事に対する価値観の違いが生じさせたのかまでは、今件調査だけでは判断できない。しかし「経験のあるバイト職種」では仕事内容がキツめで報酬も高額となりそうなものはあまり人気が無いこと、学生自身もよく足を運ぶ、お客として楽しめる場での仕事を求めているのも、これで納得がいく。
学生は勉強が本分ではあるが、アルバイトも貴重な経験には違いない。金銭面での必要性の上で行わねばならない場合はもちろんだが、仕送りなどである程度余裕を持つ人でも、是非大学時代にはアルバイトに挑んでほしいものだ。
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