魅力度最下位で茨城県の公式サイトがグレました
2013/10/27 10:00
官公庁や都道府県の公式サイトは概してお堅く事務的なイメージで固められている。業務や提供情報内容、対象利用者を考えれば当然の話。しかし最近では独自性の主張や観光客の誘引のため、例えば【香川では 県の名前も うどんです......?】で紹介した香川県のように、奇抜な発想をもとにした切り口で迫るところも増えてきた。今回紹介する事例は、先日ブランド総合研究所から公開された【地域ブランド調査】の最新版2013年版「都道府県別地域魅力度ランキング」で見事最下位の座についてしまった茨城県が、その結果を開き直る形で受け止め、むしろ逆に活用しようとする試みの一つとして、県公式サイトでタンカを切ったというものである(【茨城県公式サイト】)。
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↑ 記事執筆時点での茨城県公式サイトトップページ。ヤンキーと化した宣伝隊長の綾部祐二・渡辺直美両氏
毎年調査集計と発表が行われている、ブランド総合研究所の「都道府県別地域魅力度ランキング」。2012年分ではかろうじて最下位を脱した茨城県だったが、2013年では再び最下位に下落。同県広報資料でも「都道府県魅力度ランクで、最下位が常連となっている茨城県」との表記にもある通り、同県内でも常連組という認識がある。
↑ 都道府県魅力度ランキング(2013年)(ブランド総合研究所)
そこで今回の最下位決定を機に、公式サイトのトップページをこのようなインパクトのあるものに差し替え、直前から開設していた、茨城県の魅力をずらりと列挙した「「なめいば」(なめんなよ・いばらき県)」と命名した特設ページをさらに倍プッシュ。猛烈なアピールをすることとなった。
トップを飾るヤンキー仕立ての男女は、茨城県出身のよしもと芸人の二人、綾部祐二氏と渡辺直美氏。両氏はすでに7月の時点で隊長に任命され「いばらき宣伝隊」を結成、同県の積極的なアピールに励んでいたのだが、今回の「2013年も魅力度最下位」の報に合わせ、このような姿で広報活動に勤しむことになった次第である。宣伝隊長なだけに背広で正装をしつつ、「最下位上等」とばかりにタンカを切り、自慢のリーゼントを突きだすあたり、衝撃と笑いと意気込みを感じさせる。
↑ 7月に宣伝隊長に任命された両氏。:「いばらきを知ろう!大キャンペーン」キックオフ
また、トップページの「ヤンキー二人組」は少し時間を置くと自動的にスクロールされ、茨城県の魅力についてアピールする文章が表示される。
↑ トップページのヤンキーのビジュアルも、時間が経つとこのようなメッセージが
「日本一のメロンの生産地」「JAXAの研究開発の拠点」「超最高級和牛の常陸牛」などとポイントを挙げて茨城県の魅力をアピールしつつ、「茨城県内で訪れたい思う観光地の第一位は『わからない・不明』。これだけ情報が発達した世の中で『知られてない』は、もはや魅力」「知られていないだけで実力はある。伸び代は、日本一」と、タンカに合わせた良い意味での開き直り的な、センスあふれる宣伝文句が躍る。
茨城県もまた先の震災で大きな被害を受けた地域で、その復興が今なお懸命に続けられている。また昨年の放映を皮切りに今なお話題を集めている作品「ガールズ&パンツァー」の舞台、大洗町も茨城県にあり、タイアップ企画で大いに盛り上がりを見せている。今回の風変わりで奇抜な取り組みが功を奏し、茨城県の魅力をより多くの人が認知し、実感し、宣伝隊長二人のタンカが意味のあるものとなる結果が出ることを祈りたいものだ。
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※2013.10.28.グラフのミスを修正しました
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