10年で早寝になった乳幼児…乳幼児の就寝時間推移

2013/10/24 15:45

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NHK放送文化研究所が2013年9月4日付で発表した「2013年幼児生活時間調査」の概要によると、幼稚園児は平日において午後9時にはすでに半数以上が寝ていることが分かった。一方保育園児は午後9時半でようやく就寝率が半数を超える。また、10年前に行われた同様の調査結果と比較すると、未就園児も含め乳幼児全体が早寝の傾向を示していることが確認できる(【NHK放送文化研究所:世論調査一覧ページ】)。



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保育園児より幼稚園児の方が早寝


今調査は2013年3月3日と4日に、首都圏に住む0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象に調査票配布回収法で実施された結果を集計したもの。記入は乳幼児本人ではなく調査対象幼児の保護者が行っている。有効回答数は985人。

対象乳幼児を就園状況別に幼稚園児・保育園児・未就園児に区分し、それぞれ15分単位で(自宅にて)寝ているか否かを確認したのが次のグラフ。例えば「2100-2115」では幼稚園児は65%と出ているので、「午後9時00分から15分の時点で、幼稚園児の65%はもう寝ている」「35%はまだ起きている」ことになる。先の【10年で乳幼児は早起きへ…乳幼児の起床時間推移】と同じように「寝ているか否か」を示したグラフではあるが、時間帯が夜なので状況が正反対になることに注意が必要。

↑ 睡眠の時刻別推移(就園別・月曜)(2013年)(夜半)
↑ 睡眠の時刻別推移(就園別・月曜)(2013年)(夜半)

仮に寝ている乳幼児率が50%を超えるタイミングを「標準就寝時刻」とすると、幼稚園児と未就園児は午後9時から15分、保育園児は午後9時半から45分ということになる。幼稚園児の方が保育園児よりも30分ほど就寝時間が早い。

また未就園児にはごく幼い層も多分に含まれているが(【幼児を持つ母親の兼業率4割、10年で保育園預かり率は増加へ】参考)、就寝時間は「標準就寝時刻」の限りでは幼稚園児とさほど変わらないように見える。しかし細かい時間別動向を見ると、早めの時間帯ではやや未就園児の方が就寝率は高いものの、午後8時半を超えたあたりから一挙に幼稚園児の方が就寝率は上となる。日中の就園での色々な行動で疲れてしまい、早く床に就いているのかもしれない。

一方、保育園児は夜遅くなると一部立ち位置が逆転するものの、概して一番夜更かしをする傾向がある。多分に乳幼児本人の希望によるものではなく、保護者の勤務状況に伴う理由によるものだと考えられる。だが先の「10年で乳幼児は早起きへ-」にもある通り、保育園児は一番早起きをする傾向も確認されていることも合わせて考えると、睡眠時間の不足が気になる。

10年で早寝化する乳幼児


今件調査に関して、ほぼ10年ほど前に同様の条件下で同じ調査が行われている。そこで、その結果を就園状況別に並べ見たのが次のグラフ。

↑  睡眠の時刻別推移(幼稚園・月曜)(夜半)
↑ 睡眠の時刻別推移(幼稚園・月曜)(夜半)

↑ 睡眠の時刻別推移(保育園・月曜)(夜半)
↑ 睡眠の時刻別推移(保育園・月曜)(夜半)

↑ 睡眠の時刻別推移(未就園児・月曜)(夜半)
↑ 睡眠の時刻別推移(未就園児・月曜)(夜半)

差はまちまちだがどの就園状態でも、一様に赤線の方が青線より上となっている。つまり同じ時間帯では2013年の方が2003年よりも寝ている子供の比率が高い。言い換えれば2013年の方が乳幼児は早寝の状態にあるといえる。ただし幼稚園児に限れば遅い時間帯で赤青線の位置関係が逆転しており、夜更かしをしている幼稚園児の比率がほんのわずかだか上昇していることになる。

10年間における経年変化を見ると、幼稚園児と保育園児はほとんど変わらない割合で早寝化しているが、未就園児の早寝化は非常に大きなものとなっている。健康な日常生活を目指すための掛け言葉「早寝早起き」になぞらえれば、乳幼児は概して健康志向に、特に未就園児はその傾向が強い、と見るべきだろうか。


■関連記事:
【小学生午後10時前、中学生午後11時前後…小中学生の平日就寝時間】



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