米動画自作者、投稿テーマは何だろう?

2013/10/23 08:45

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米大手調査機関【Pew Research Center】は2013年10月10日付で同社公式サイトにおいて、同国内のインターネット上での動画視聴の動向調査報告書となる【Online Video 2013】を公開した。その内容によれば調査対象母集団では、約3割の人が動画の投稿経験があることが分かった。自作の動画を掲載した人は2割近くに登る。その自作動画投稿者が投稿する動画のテーマとしてもっとも多くの人が取り上げているのは「友達や家族の日々の行動」だった。6割近い人がテーマとしていた。次いで「自他の面白い挙動」「参加イベントのようす」などが続いている。



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今調査の調査要件に関しては、先行記事の【米ネット利用者の7割は動画視聴、若年層なら9割を超える】を参考のこと。

先の記事【米ネット利用者の3割は動画投稿経験あり、2割近くは自作動画をアップ】にもある通り、インターネット利用者の18%、調査対象母集団全体比では1割強が、(単なる編集のみ、あるいは自分で撮影した動画も合わせ)自作動画をインターネット上にアップロードして公開している。

↑ 動画アップロードの行動性向(米、2013年7月、インターネット利用者対象)(再録)
↑ 動画アップロードの行動性向(米、2013年7月、インターネット利用者対象)(再録)

それではこの「自作動画投稿者」は、どのようなジャンルの動画を創り、投稿しているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位についたのは「友達や家族の日々の行動」で58%に達していた。

↑ どのような動画をアップロードするか(米、2013年7月、自作動画投稿者限定、複数回答)
↑ どのような動画をアップロードするか(米、2013年7月、自作動画投稿者限定、複数回答)

YouTubeなどの動画共有サイトでメジャーになる動画の傾向と照らし合わせると、意外な結果だと思う人もいるかもしれない。しかし今項目の調査は「どのようなジャンルの動画を投稿するか」であり、「どのジャンル動画を視聴するか」では無い。掲載から一年経っても再生数が2ケタしかない動画が山ほどある実態も合わせて考えれば、理解は容易にできるはず。

多分に第三者にお披露目したいからこそ動画を投稿することに違いは無いが、自己満足や記録、保全のために掲載している人も少なくない。そして仮に他人に披露してあわよくばウケを狙おうとの思惑で動画を掲載しても、その思惑通りになるとは限らないのが世の常である。

第2位は「自他の面白い挙動」。一発ネタや「●×をやってみた」的なもの、偶然出くわした目を見張る情景、友人が持つ得意技など、例を挙げようとすればきりがない。また動画の特徴、利点である「言葉が分からなくても世界規模に理解してもらえる、ウケを狙える」のメリットを特に活かせる部門でもある。

第3位についた「コンサートやスポーツなど自分が参加したイベント」は、トップの「友達や家族の日々の行動」同様に記録映像的な意味合いもあれば、その情景を第三者に披露して少しでも同じ臨場感、興奮を味わってほしいという「情報の共有希望」という思惑が強いのも特徴の一つ。

投稿動画系で人気を集めることが多い「動物やペット」「創造作品」「HowTo物」「踊りや歌などの披露」は、案外投稿性向が低め。特に「動物やペット」などは自分のペットを写真に撮り他人に自慢する行動と同じ傾向があり、もう少し比率が高いような感はあるのだが、少なくとも今調査では第4位に留まっている。思い通りの動きをペットがしてくれない、撮影機会がなかなか得られないのかもしれない。



昨今ではスマートフォンの普及が急速に進んでおり、それに伴い動画撮影環境を有する人の数も増加している。またスマートフォンは機動性に長けていることから、あらゆる場での動画の撮影を可能とする(無論法的、倫理的、規制的に問題のある場所での撮影は許されない)。撮影環境の普及に伴い、動画の投稿ジャンルの傾向も、少しずつ変化を示す可能性はある。

「創造作品」「HowTo物」「踊りや歌などの披露」は撮影対象の創生の点で技術を有するため、撮影環境が普及しても大きな変化はない。他方「動物やペット」はスマートフォンの普及に従い、少しずつ、確実に投稿事例が増えていくに違いない。さらに【消防士が火災現場から子猫を救出、蘇生に成功した「生の」映像】でも紹介したGoProのような、優れた機動性を有する高機能デジタルビデオカメラが安価で発売されるに至り、「友達や家族の日々の行動」に含まれる、日常生活内のドキュメンタリー的な映像も増加していくだろう。



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