電子版の新聞購読率は6.5%、有料版に限れば2%足らず

2013/10/18 20:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
ライフメディアのリサーチバンクでは2013年10月16日に「新聞に関する調査結果」を公開した。その内容によると調査対象母集団においては、パソコン(PC)やスマートフォン、タブレットなどで閲覧できる「新聞の電子版」について、現在利用している人は6.5%に留まっていることが分かった。現在では利用していないが有料でも利用したい人は2.0%でしかなく、無料ならば利用したい人は7割を超えている。また現在利用している人も3/4近くは無料版を利用しているのが確認できる(【発表リリース:新聞に関する調査】)。



スポンサードリンク


今調査は2013年10月4日から9日に渡り、10代から60代の男女を対象にしてインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1200件。男女比・10歳区切りで世代構成比は均等割り当て。

パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット機が浸透を進めるにつれ、新聞各社でも電子版の新聞を出すところが増えてきた。そこで、それら「新聞の電子版」について利用したいか否かを尋ねたのが次のグラフ。

なお今件の「新聞の電子版」は、紙媒体の新聞と同等のデザイン・レイアウトによるもの、少なくとも記事内容が紙媒体と同じ量であるものを意味する。新聞社各社が以前から展開している、紙媒体の記事の中から一部を、多分にダイジェスト版で展開する「新聞社運営のニュースサイト」は別物とする(有料版で全文が読めるものについてはその限りでは無く、「新聞の電子版」扱いされていると見なす)。

↑ PCやスマホで閲覧できる新聞の電子版があるが利用したいと思うか
↑ PCやスマホで閲覧できる新聞の電子版があるが利用したいと思うか

有料・無料を問わず現在利用している人は6.5%。そして有料でも使いたい人は2.0%。それ以外は7割近くが「無料ならば使いたい」と回答しており、「紙媒体と同デザイン、あるいは同等文章が無料で読めるのなら、新聞の電子版を読むのもアリ」と考えていることになる。

男女別では男性の方が電子版に積極的。別記事で解説済みだが男性は新聞に仕事絡みの情報を求める機会が多く、対価に値する情報を素早く得られるのなら、電子版も利用、少なくとも利用検討に値するという認識なのだろう。

他方、すでに電子版を利用している人に、有料版か否かを聞いたところ、ほぼ1/4の人は有料版を使っていた。無料版のみの人は3/4に達している。

↑ 現在利用している新聞の電子版は有料版か無料版か(電子版の新聞利用者限定)
↑ 現在利用している新聞の電子版は有料版か無料版か(電子版の新聞利用者限定)

新聞の電子版で有料版を使っている人は、調査対象母集団全体比では6.5%×(20.5%+5.1%)で1.7%。紙媒体の新聞購読率66.8%と比べたら1/40程度でしかない。紙媒体版のセールス減退に伴い、電子版の普及・売り上げ増に期待する面が強い各新聞社だが、現時点では有料版の売上のみではとても支え切れそうにない。むしろ無料版で利用したい層を取り込み、いかに収益に結び付けるべきかの工夫にリソースを集中した方が良い気はする。

もっとも仮にその考えに従い、無料版がより利便性の高い形で提供されたとしたら、紙媒体版の売上減少に拍車がかかる可能性もある。そのバランスの調整、ジレンマこそが、今の新聞社が抱える最大の難問なのかもしれない。


■関連記事:
【横ばい継続なテレビ、急上昇のデジタル、そして減少のラジオや新聞…米ニュース取得手段の変化(SNM2013版)】
【紙媒体のみ、デジタル媒体のみはどれ位? 米新聞媒体の購読性向】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS