紙の定期新聞購読者は4割、中堅層に進む新聞離れ
2013/10/17 20:30
ライフメディアのリサーチバンクは2013年10月16日、新聞に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、現在紙媒体の新聞をほぼ毎日読んでいる人は4割強であることが分かった。時々読んでいる人も合わせるとほぼ2/3に達する。性別では男性、世代別では年上の方が購読率が高い。また2年前の同様の調査結果と比較すると、主に中堅層で「新聞離れ」が起きていることが確認できる(【発表リリース:新聞に関する調査】)。
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歳を経るほど紙媒体の新聞購読者は増える
今調査は2013年10月4日から9日にかけて10代から60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。
電子媒体(電子書籍、ウェブ上)による新聞ではなく、従来の紙媒体での新聞を読んでいるか否かについて、「ほぼ毎日」「時々」「読んでいない」の3つの選択肢から選んでもらったところ、全体では40.8%の人が「ほぼ毎日新聞を読んでいる」と回答した。
↑ 普段新聞(紙媒体)を読んでいるか
まったく、あるいは滅多に新聞を読まない人は33.2%でほぼ1/3。性別では男性の方がやや読み手が多いが、これは職場で読む機会が得られるからだと推測される。あるいは仕事の上で必要な情報を得るために、業界専門紙を購読しているのかもしれない。
これを詳細に世代区分別に見たのが次のグラフ。世代毎の「新聞に対する立ち位置」の違いが明確に分かる結果が出ている。
↑ 普段新聞(紙媒体)を読んでいるか(詳細属性別)
女性60代にややイレギュラーが出ているが、それをのぞけば概して「歳を経るほど新聞を読む」傾向が強くなる。しかも「時々」が減り「ほぼ毎日」が増え、日常生活の中に新聞購読が組み込まれている人の割合が増えていることが分かる。男性10代では「ほぼ毎日」は2割にも届かないが、60代になるとその3倍以上、3/4の人が毎日読んでいる。中堅層以降の人は昔からの習慣で新聞を定期購読しており、それが今なお継続しているのだろう。
特に男女とも40代を超えると、急激に購読率が上昇する。デジタル周りを中心とした、メディアギャップもちょうどこの年齢が境い目になることが多く、納得のいく結果といえよう。
中堅層に広まる新聞離れ? 2年前との比較
今件調査については2年前の2011年10月にもほぼ同様の調査が実施されており、その結果を比較することができる。そこで「ほぼ毎日」「時々」を合わせ、新聞購読者として算出し、両調査の結果を比較したのが次のグラフ。
↑ 新聞(紙媒体)を読んでいる人(2011年10月/2013年10月)
男性10代、女性20代、女性60代でややイレギュラーな動きがあるものの、概して若年層ほど新聞購読率が減り、高齢層ほど増える動きを示している。特に男女とも中堅層の減少ぶりが明らかで、この層に新聞離れが起きている感はある。若年層は元々新聞をあまり読まないことや、デジタル系ガジェットは中堅層が最初に浸透する場合が多いことを考えると、この層で新聞離れと共に、デジタル版への移行=「紙媒体の新聞離れ」が起きている可能性は高い。
残念ながらインターネット版の新聞に関する調査項目では世代区分別のデータが無く、これを裏付けることは今調査の公開データでは不可能。しかし少なくとも紙媒体としての新聞離れが中堅層を中心に起きていることは、認識しておくべきだろう。
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