中学生・高校生のおこづかい額(2016年)(最新)

2016/07/07 11:01

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金融広報中央委員会「知るぽると」では毎年の「家計の金融行動に関する世論調査」以外に、5年おきに「子どものくらしとお金に関する調査」を実施し、子供の視線からのお金に関する意識の実態を調査・確認している。今回はその中から中学生や高校生のおこづかい額の状況をチェックし、その実情の精査を行う(【知るぽると:子どものくらしとお金に関する調査】)。



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高校生の平均的なおこづかいは月5000円


今調査は2015年12月から2016年3月にかけて、小中高生に対して学校を通して調査票による無記名自記式の記述方式で行われたもので、有効回答数は小学生1万6329件、中学生1万3131件、高校生2万0689件。地域分散もなされており、地域による偏りは無い。

まずはこづかいをもらっているか否か。この「こづかい」には主に月一の形で定期的にもらう以外に、何か欲しいものがある時にその都度もらうタイプのものも含まれる。つまり今件の「こづかい」をもらっている人に該当しない人は、「子供自身による自由裁量のあるお金はもらっていない」ことになる。

↑ こづかいをもらってる人(定期的、必要の都度合わせて)(2016年)
↑ こづかいをもらってる人(定期的、必要の都度合わせて)(2016年)

小学生全体では大体7割強。それが中高生になると8割強に増える。自我が明確になり、また金銭感覚もある程度身に付くこと、逆にこづかいを与えることで金銭感覚を習得させようとする保護者側の配慮も想定される。もっとも高校生になると中学生と比べて多少値は減るが、これは高校生自身がアルバイトをすることで自ら稼ぐ場合があることの影響を受けていると考えられる。「自分で稼ぐなら定期的なこづかいは要らないね」という次第である。

次に示すのは具体的なこづかい額。小学生の場合はもらう頻度によりそれぞれ平均値などが算出されているが、中高生と合わせるために月一でもらう場合の結果を適用している(中高生は頻度は問わず一か月あたりの額が用いられている)。今件値は実際にこづかいをもらっている人に限って聞いた結果であり、こづかいをもらっていない人の分は反映されていない。

↑ 子供のこづかい(円)(2016円、月単位)
↑ 子供のこづかい(円)(2016円、月単位)

小学生はおおよそ1000円前後。中学生は2500円ぐらい、高校生は5000円が平均的な相場となる。小学校低-中学年と中学生で平均値と中央値の差が大きく開いているが、これは多分に一部で高額のこづかいを貰っている人がいることを示している。中央値は小学校小中学年が500円、最頻値(もっとも多く回答された値)は500円。中学生は中央値が2000円、最頻値は1000円。世帯毎の教育方針やお財布事情の違いが結構大きく反映されているようだ。実情としては中央値の方が近しいのかもしれない。

一方高校生になると平均・中央・最頻値共にほぼ5000円で固定される。例えば高校三年生なら受験を間近にひかえるため、塾通いなどで何かと散在することから保護者側の配慮による上乗せもあるかもしれないが、大よそ相場としてはキリの良い5000円に収まっていることになる。

子供のおこづかい帳事情


「金銭感覚」といえば、大人の家計簿にあたる「こづかい帳」への記載が重要視される。記録を残しておくことでお金の出し入れを金額面まで明確化させると共に、後に振り返り反省したり、さらには計画的な利用ができるようになるからだ。ところが子供達の間でこづかい帳をつけている割合は案外少ない。

↑ こづかい帳をつけてる人(頻度は問わず)(2016年)
↑ こづかい帳をつけてる人(頻度は問わず)(2016年)

これはこづかいをもらっている・いないを問わず、全員に聞いた結果。こづかいをもらっていない人はこづかい帳をつけようがないので、「こづかいをもらっている人における、こづかい帳をつけている人の割合」は、小学生と(こづかいをもらっている人の割合が大きい)中高生間ではもう少し差が開くことになる。いずれにせよ、高校生のこづかい記帳率は極めて低い。

しかもこれは「頻度を問わず」の回答率。詳細データを見ると例えば高校生の場合「必ず使ったその日のうちにつける」人は3.8%のみで、「一週間ごとなど定期的につける」は2.4%。残りの10.5%は「たまにつける」で、あまりこづかい帳の役目を果たしていない使い方となっている。

月に1000円単位の総額は、お金そのものとしては小さな値かもしれないが、お金の出し入れを記録する習慣をつけるのはとてもに大切。保護者サイドとしては子供にこづかいを与える条件として、こづかい帳を必ずつけ、内容のチェックを保護者に行わせることを義務付ける位のことをしても良いだろう。子供にとってはプライベートをのぞかれているような気がして、あまり気分の良い話ではないかもしれないが。


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