東京と大阪、騒音トラブルやゴミ出しトラブルはどちらが多い?

2013/10/09 11:30

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日本生活協同組合連合会は2013年10月3日付で同会公式サイトにおいて、子供を持つ世帯に関した地域コミュニティへの参加動向の報告書「『地域のコミュニティと交流」に関する調査」を公開した。それによると調査対象母集団においては、この3年間ほどの間に騒音による地域トラブルに遭遇した人は2割強に達していることが分かった。ゴミ出しマナーの問題への経験者もほぼ同率に及ぶ。回答者の地域別では東京圏はゴミ出しマナーの問題、大阪圏は騒音トラブルの問題で、他地域より高い経験者率が確認できる(【発表リリース:7割の家庭が「地域で助け合える関係が理想」-「地域のコミュニティと交流」に関する調査を行いました】)。



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騒音とゴミ出しマナー問題が上位を占める地域トラブル


今調査は2013年9月6日から12日に渡り、子供を持つ20-59歳の男女に対して携帯電話によるインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

多数の人間が住まう地域社会で生活をしていると、何らかの形で衝突し、トラブルが発生するリスクがある。考えが異なる人が同じ地域で時を過ごすのだから、仕方がない、許容すべきリスクであり、ある程度は我慢し、あるいは解決のために尽力・妥協する必要も出てくる。室内で子供が暴れることによる騒音、犬猫の好き嫌いによるペット飼育上での対立、ゴミ出しの際のマナー、集合ポストの利用の作法の問題が良い例である。

今件では主な地域トラブルの事例を選択肢として挙げ、過去3年間の間に経験したことがあるか否かを尋ねている。調査対象母集団では「騒音トラブル」「ゴミ出しマナーの問題」がほぼ同率で上位を占めることとなった。

↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)
↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)

特にこの2項目は集合住宅では良く耳にするトラブルで、それが一部の事例や自分自身の身の周りに限った話ではないことが再確認できる。「騒音トラブル」は幼い子供がいる世帯ではある程度仕方がないが、それ以外でも周囲への配慮が欠けた人によるものも多分に考えられる(例えば大音量による音楽視聴やテレビ鑑賞、友人を集めての宴会)。また「自動車問題」「ペットの飼育マナー問題」のような、自らの便益を優先するあまり、周囲への影響を軽視した結果によるものが上位についているのが目に留まる。

一方「当てはまるもの無し」が35.7%と1/3を超えているが、これが「具体例以外の地域トラブルの経験あり」「具体例も含めて主だった地域トラブルは経験していない」のどらちに該当するかまでは分からない。ただ、具体例以外での地域に関するトラブルは考えにくいため(上に挙げた集合ポストの使い方位だろうか)、概して後者「トラブル無し」が多数派と見て良いだろう。見方を変えれば2/3近くは、この3年で何らかの地域トラブルを経験していることになる。

東京はゴミ出しマナー・大阪は騒音トラブルが多い


この地域トラブルの上位項目について、居住形態と居住地域別に区分したのが次以降のグラフ。まずは居住形態別だが、騒音・ゴミ出しの点で集合住宅が高い値を示している。

↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)(居住形態別、上位陣)
↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)(居住形態別、上位陣)

戸建と比べて集合住宅は個々世帯の関係が薄く、周囲への配慮に欠ける傾向がある(戸建は長年の付き合いとなる可能性が高いので、近所づきあいも密接なものとなりやすい)。そのため、騒音やゴミ出しのようなトラブルが発生しやすいのだろう。また騒音は個々の居住空間が密着していること、ゴミ出しは小さな収集場に多数世帯のゴミが集まりやすいのも一因と考えられる。自動車の問題も同様の理由による。

一方ペットのマナー問題は戸建ての方が多い。これは集合住宅の場合、そもそも論としてペット飼育不可の事例があることに加え、戸建ての場合は庭で飼育することで外部への迷惑が多分に発生しやすくなるのが理由として考えられる。

続いて居住都市圏別。1都3県(東京圏)は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県、2府4県(大阪圏)は京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県、地方都市圏は北海道・宮城県・愛知県・福岡県を意味する。

↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)(居住都市圏別、上位陣)
↑ 最近(3年間程度の期間)経験した地域のトラブル(複数回答)(居住都市圏別、上位陣)

東京圏では圧倒的にゴミ出しマナーの問題が多い。大阪圏の2倍近くに及んでいる。一方騒音トラブルは大阪圏が多く、東京圏のほぼ1.5倍。大阪ではゴミ出しについて厳しい取り締まりが行われている、陽気で皆が大騒ぎするのでその分騒音トラブルも多い…ということではないのだろうが、興味深い動きではある。

また自動車の駐車スペースなどの問題は、意外にも大阪圏がもっとも低く、地方都市圏の方が高い値を示している。駐車スペース的には地方の方が確保しやすいはずなのだが、その分留め方もルーズになってしまうのだろうか。



居住地域や居住場所で、その特性・事情に沿った発生度の傾向は生じているが、それを「場所柄仕方がない」として開き直りマナーを無視し、結果として地域のトラブルを引き起こすのは社会生活を営む上では失格。「自分だけは良いだろう」では無く「自分がやられたらどう思うのか」を考え、行動することが求められる。社会生活を営む以上、自分は一人ではなく、社会の中の一員なのだから。



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