手書きではがきなどの宛名を書く人6割強、年賀状では5割程度
2013/09/30 14:45
文化庁は2013年9月24日、「国語に関する世論調査」の最新版となる2012年度版の概要を公開した。それによると普段からはがきや手紙などの宛名を手書きでしている人は約2/3に留まっていることが分かった。年賀状では5割、報告書やレポートなどの文章での手書きは3割程度でしかない。8年前の2004年度版と比べると10ポイント強ほどの下落が見られる(【発表リリース(PDF):平成24年度「国語に関する世論調査」について】)。
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ハガキの宛名を手書きで書く人は2/3
今調査は2013年3月に個別面接調査方式で16歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は2153人。
それによるとはがきや手紙などの宛名を書く際に、普段手書きをする人は66.7%に達していた。ほぼ2/3が該当することになる。
↑ 普段手書きをするか
見方を変えれば約1/3は、はがきや手紙の宛名には普段はパソコンなどのプリンターを用いて直接、あるいはラベルシールなどを創って貼り付けることになる。本文もほぼ同じ比率で63.5%と2/3程度。一方年賀状の場合は自前のプリンター以外に業者に頼む事例も増えており、手書き率は約半数に減る。
また報告書やレポートなどの文章になると、手書き率は3割強と大幅に減る。これは文章そのものをパソコンのワープロ機能などで打ち込む人が増えており、必然的に出力もプリンターを用いるからだと考えれば道理は通る。
前回調査の2004年度分と比べると、該当項目のすべてで減少が見られる。これはパソコンやプリンターの普及に伴い、手書き以外の手段を利用できる人が増えたからに他ならない。また「報告書やレポートなどの文章」の事例にもある通り、文章を書き連ねること自体、パソコンや携帯電話などのデジタル機器で行うのが増えたのも一因だろう。
意外に多い若年層の手書きスタイル
これを回答者の世代別に見たのが次のグラフ。
↑ 普段手書きをするか(世代別)
「報告書やレポートなどの文章」で16-19歳がずば抜けて高いのは、学校の授業で用いるため。それ以外は概して若年層の手書き率が高く、中堅層は低くなり、シニアで再び高い値を示している。これは中堅層が仕事などでワープロソフトやはがき用出力ソフトを多用するために他ならない。自宅での作業も、使い慣れた環境を使いまわししているのだろう。特に年賀状の宛名における手書き率は4割を切る世代もある。
逆年層が高めなのは環境整備が出来ていないのが主な理由。ただしこの層は同時に意志疎通の多くを携帯電話経由で行っており、はがきを使う状況はさほど多くない。たまに手掛けるはがき、手紙なのだから手書きでていねいに書き連ね、想いをこめているのかもしれない。実際、同調査の別項目「今後も手書きで手紙を書くようにすべきである」との設問では、意外にも若年層の方が高い値を示している。
↑ 今後も手書きで手紙を書くようにすべきである
電子メールやコミュニティサイトでの書込み、ソーシャルメディアなどにおけるデジタルコミュニケーションに慣れ親しんでいる若年層だからこそ、手書きの良さ、大切さを認識できるのだろう。
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