シニアが大切にしているものは「健康」と「お金」(2015年)(最新)
2015/09/17 08:19
ソニー生命保険は2015年9月15日、「シニアの生活意識調査 2015」と題し、高齢世代の生活意識に関して行った調査結果を発表した。それによれば50代から70代で構成される調査対象母集団においては、現在の生活で一番大切にしているものは「健康」だった。次いで「お金」「子供・孫」「趣味」が続いている(【発表リリース:シニアの生活意識調査2015】)。
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今調査は2015年7月21日から22日にかけてインターネット経由で50歳から79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比・世代構成比(50代と60代+70代)は均等割り当て。調査協力機関はネットエイジア。
いわゆる団塊世代が定年退職を迎え、日本では高齢社会化が進み、その世代の挙動が今まで以上に注目されるようになった。今回スポットライトを当てるのは、そのシニア層の日常生活において、何を大切にしているかを尋ねたもの。
↑ 現在の生活において大切にしているもの(複数回答)(2015年)
もっとも大切にされているものは「健康」。歳と共に肉体のあちこちに衰えを覚え、若い時には気軽にできたことがなかなか上手になくなり、老化を実体感すると、健康の大切さを言葉通り肌身を持って知るようになる。それだけにこれ以上悪化しないよう、できれば改善を果たせるよう、健康を大切にする気持ちを持つ人が多いのは当然といえる。
第二位は「お金」。「健康」より20%ポイント以上下げているが、高い優先順位にある。一部を除けば年金と貯蓄の切り崩しで生活していることもあり、日々の生活に直に関係する要素との見方では「健康」と同じ位切実なもの。第三位の「子供・孫」や第四位の「趣味」よりも高い値を示している現状は、リアルさを覚えさせる。
対人関係の視点でチェックすると、もっとも上位は「子供・孫」で次いで「パートナー」、そして「友人」「親」と続く。「パートナー」よりも「子供・孫」の方が上位にあるのは、そもそも論として大切にできる対象が現存するか否かも係わってくるのだろうか。
今調査は前年もほぼ同じタイミングで同じ条件下で実施されている。提示項目も同じことから、比較が可能なため、その動きを算出したのが次のグラフ。
↑ 現在の生活において大切にしているもの(複数回答)(2015年)(前年比)
同じ複数回答形式による設問のはずなのだが、大よそ回答率が減っており、大切にしているものが減っている感は強い。特に上位陣の減少幅が大きく、中でも「子供・孫」「パートナー」といった、対人関係上の対象への減少幅が著しい一方で、「お金」「趣味」の減り方が小さく、他人との連動性から回答者個人に直接係わるものへと、大切なものとしての視点がシフトしている感は強い。特に「趣味」と「パートナー」は前年から順位が入れ替わるほどで、注目に値する動きと言える。
今件はあくまでもインターネットを利用している人における傾向で、しかも長期的な変動による流れでは無い。とはいえ、単なる減少では無く、外から内に変化する形を伴うものであり、今後も注意深く見守る必要がある内容に違いない。
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