米成人の1/5は「携帯がメインのネットツール」

2013/10/08 14:45

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米大手調査機関の【Pew Research Center】は2013年9月16日付で同社公式サイトにおいて、同国内の携帯電話(一般携帯電話とスマートフォン双方を含む)を用いたインターネット利用状況の調査報告書【Cell Internet Use 2013】を発表した。その内容によれば調査時点では携帯電話利用者のうち6割強の人が、ウェブブラウジングや電子メールの利用など、携帯電話でのインターネットを利用していることが分かった。さらにその「モバイル・オンライン」化した人の1/3強、若年層に限れば半数は、「パソコンでは無く携帯電話が、メインのインターネットアクセスツール」であると回答している。



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今調査の詳細な調査要件や、調査対象母集団の構成の解説は先行記事【米携帯保有者の6割強は「モバイル・オンライン」化】で行っている。その記事で触れている通り、今調査対象母集団のうち携帯電話保有者では63%が、その携帯電話でインターネットにアクセスを行い「モバイル・オンライン」化を果たしている。


↑ 携帯電話利用者における電子メール・インターネット利用率(米)(再録)

無論これらの人々も、多数はパソコンなど他のインターネットアクセスツールを保有し、あるいは使う機会を持っている。それではこの人達において、「インターネットにアクセスする際にもっともよく使うツール」として、携帯電話を用いている人はどれだけいるのだろうか。要は「携帯電話がネットアクセスのメインツールで、パソコンなどは二の次」な人の割合である。調査対象母集団全体比の値では無いことに注意。


↑ 携帯電話経由のネットアクセスがネットアクセスの中で一番多い人(米、2013年5月、携帯電話でネットアクセスをしている人限定)

全体ではほぼ1/3が「携帯電話がメインのネットツール」。見方を変えれば「モバイル・オンライン化した人でも2/3はネットアクセスのサブツールに過ぎない」ことになる。ちなみに携帯電話利用者は調査対象母集団の91%、「モバイル・オンライン」化した人は調査対象母集団の57%なので、「米成人の19%は『携帯電話がメインのネットアクセスツール』」という試算値(57%×34%)が導き出せる。

属性別に見ると、興味深い動きが確認できる。「モバイル・オンライン」化した人で、それがネットアクセスの上でメインの人は「若年層」「低学歴」「低所得」の属性ほど高い割合を示す(居住地域別の差異はほとんどない)。元資料では数字的事実のみが書かれ理由の説明・推測は無いが、「低所得のためパソコンにまで手が出せず、金銭的な取得・利用ハードルが低い携帯電話(特にスマートフォン)をネットへの窓口として活用している」と考えれば道理は通る(学歴と世帯年収は連動する傾向がある)。

また「若年層」に限れば「モバイル・オンライン」に適応しやすい(身体的、デジタル機器への柔軟性)のも一因。中堅層以降は長年に渡りパソコンからのインターネット利用を経験して慣れているが、若年層はパソコン経由と同じ位モバイル経由のネットアクセスを体験しており、違和感を覚えないことから、むしろ機動力の高い携帯電話に便宜性を覚える人も多いのだろう。さらに未成年者に限定すると、保護者の監視を受けずにアクセスできる端末は、非常に魅力的なものとして目に映るに違いない。

以前別記事で「低所得層にとって携帯電話、特にスマートフォンは手が届きやすい『インターネットへの窓口』となる」と解説したことがある。今回の事例はそれの裏付け的な値としても、注目すべき内容といえよう。


■関連記事:
【「ネットへのアクセスは携帯メイン」は全体の25%…米未成年者のインターネット利用性向】 (2012年7月時点)



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