政府に求める「子供をネットの有害情報から守るための施策」、トップは該当サイトへの規制強化
2013/09/30 09:45
内閣府は2013年9月9日に公式サイトにおいて、子供の安全に関する世論調査の結果を公表した。その内容によると、インターネット上にあふれる有害情報から子供を守るため、政府に求める対策として最上位に挙げられたのは「有害情報掲載サイトへの規制強化」だった。6割強の人が望んでいる。次いで「子供へのインターネット利用に関する教育の充実」「子供や保護者へのインターネット犯罪の状況に関する情報提供の強化」などが続いている(【発表リリース: 子どもの安全に関する世論調査】)。
スポンサードリンク
今件調査は2013年7月11日から21日にわたって、日本国内の20歳以上の日本国籍を有する人を対象とし、調査員による個別面接聴取法によって行われたもの。有効回答数は1801人で、男女比は828対973。
大人と同じような行動が可能なインターネットの世界に子供がアクセスするに及び、大人、特に保護者が心配するのは、子供の有害情報への接触。知識や経験、倫理観の構築が成されていない状態で各種有害情報に触れると、さまざまなトラブルに巻き込まれたり、間違った知識を植え付けられることになりかねない。ハードやソフトのメーカー、業界、教師や保護者などの大人もそれぞれ対策を講じてはいるが、政府レベルで無いと難しい、あるいは率先して行ってほしい施策もある。その施策について、選択肢の中から選んでもらった結果が次のグラフ。
↑ インターネット上の有害情報から子供を守るために、政府にどのような対策を求めるか(複数回答)
最上位は「有害情報掲載サイトへの規制強化」で62.1%。法的レベルで禁止されている内容の掲載は当然規制の対象となるが、大人、保護者から見て「子供には有害となる」との判断の類は、政府レベルで行うのは難しい(そもそも論として「何が有害か」の判断基準の設定が必要)。また、表現の自由との兼ね合わせもあり、非常にデリケートな問題となりかねない。
第2位は「子供のインターネット利用に関する教育の充実」で50.5%。現在でもインターネット利用に関係した授業はそれなりに行われているが、まだまだ不足しているという意見が、この結果に表れている。免許取得制度の導入は生き過ぎかもしれないが、インターネットリテラシー(正しく、安全に使うための能力)に関する教科を新設し、試験を行わせるようにすれば、効果はそれなりに上がるかもしれない。
インターネットにかかわる犯罪状況に関する情報提供を強化してほしいとの意見も多い。ネットの世界は日進月歩どころか秒進分歩で、次々に新しいタイプの有害情報、子供を巻き込みかねない「ワナ」が登場していく。時節の話、トレンドネタがすぐに活用され、陥れようとしている(スパムメールのタイトルを見れば、実情が良くわかる。特定の事件が起きた翌日に、その事件の内容が反映されているほどである)。
ちなみに回答者に子供や孫、言い換えれば実際に有害情報に接触しうる身内の対象者が居るか居ないか別では、多分に居る回答者の方が要望値が高い。
↑ インターネット上の有害情報から子供を守るために、政府にどのような対策を求めるか(複数回答)(子供・孫が居るか否か別)
とはいえ、大きな差異は無く、該当サイトへの規制強化と子供への教育拡充がもっとも求められている施策であることに変わりはない。規制強化は上記の通りさまざまな問題があるので、まずは「現行法で対処できる範囲内で」対処を強化すると共に、子供への教育拡充を推し量ることが最優先で求められよう。
■関連記事:
【子供のネットトラブル、コミュニティサイト周りは悪化へ(2013年上半期データ反映版)】
【OSアップデート・ウイルス対策・アプリ安全性、知ってる?守ってる?…スマートフォンの安全対策の認知・実施度の国際比較(2013年)】
スポンサードリンク