高齢者人口3625万人、総人口比は29.3%で過去最高(2024年・敬老の日)
2024/09/15 17:19
総務省統計局は2024年9月15日、翌日の9月16日に敬老の日を迎えるにあたり、各種統計から見た日本の高齢者動向をまとめたレポートを発表した。その内容によれば日本の高齢者(65歳以上)の人口は2024年9月15日時点で3625万人となり、総人口比は29.3%となることが分かった。総人口に占める割合が1/4を超えたのは2013年から継続して12年目連続で、総人口比の29.3%という比率は過去最高となっている(【発表リリース:統計トピックスNo.142 統計からみた我が国の高齢者−「敬老の日」にちなんで−】)。
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↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2023-2024年のみ9月15日時点、万人)(1947年以降)
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2023-2024年のみ9月15日時点、万人)(2001年以降)
↑ 高齢者の総人口比率
今レポートは人口推計や国勢調査など、総務省統計局収録の各種データを精査分析したもの。それによれば2024年9月15日時点で高齢者人口は3625万人。単純対象比較ができる1年前の2023年9月15日時点の3623万人から2万人増加している。高齢者の増加ピークとなる「団塊の世代」(1947年から1949年生まれ、第一次ベビーブーム期)のうち最後の年となる1949年(昭和24年)生まれの人が高齢者層に仲間入りした2014年においては、同一基準で110万人も増加したが、それよりは少なくなっている。
また2013年では総人口に占める高齢者の割合が、はじめて25.0%を超え、「4人に1人以上が高齢者の時代」が到来したが、今年2024年はその状態を継続しただけでなく、数字を前年の29.1%からさらに上乗せ、29.3%に達している(過去最高値)。
今レポートでは他にも各種統計結果から、高齢者の動向が多彩な切り口で語られている。概要をまとめると次の通りとなる。
・女性の高齢者人口は2053万人で、男性の1572万人より481万人多い。
・女性100人に対する男性の数は15歳未満では105.0人、15〜64歳では103.2人と男性が多いが、高齢者では76.6人となり女性の方が多い。
・高齢者の就業者数は男性534万人、女性380万人(2023年時点、以下同)で男性は前年比で減少、女性は増加。就業者数は男女合わせて914万人となり、比較可能な1968年以降では過去最多。15歳以上の就業者総数に占める高齢者の就業者割合は13.5%、前年比では0.1%ポイント減少。
・役員を除いた高齢雇用者(高齢者で雇用されている者)の非正規率は76.8%(うちパート・アルバイトが52.7%)。
・日本の高齢者人口の割合は、欧米諸国などと比べてももっとも高い。日本の29.3%に対し、第2位の比率のマルティニークで25.3%、プエルトリコで24.7%、イタリアで24.6%。
・日本の高齢者就業率は25.2%で、主要国では韓国の37.3%に次いで高い。アメリカ合衆国は18.7%、カナダは14.4%、イギリス11.3%、ドイツ8.9%などが続く。
「団塊の世代」の高齢層入りは2014年までのため、高齢者人口および総人口に占める高齢者の比率の加速的増加は2014年で終わりを告げている。しかしそれでもなお、高齢者比率が上昇していることに違いはない。社会福祉をはじめとした、各種の国や地方自治体の行政施策に関し、これまでの常識にとらわれない、現状を正しく認識し、将来を見え得た上でのかじ取りが求められよう。
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