原則車道左側通行、歩道でのベル使用禁止、自動車同様の標識遵守…自転車利用のマナー、どれだけ知ってます?

2013/09/12 14:45

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ライフメディアのリサーチバンクは2013年9月11日、自転車に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、「夜間の自転車運転時はライト点灯が義務付けられている」ことを知っている人は9割近くに達していることが分かった。見方を変えれば1割強は知らないことになる。「飲酒運転禁止」「二人乗りの原則禁止」など繰り返し公知されている事柄の周知率は比較的高めだが、中には「歩道での走行時におけるベル使用不可」が4割足らずの周知率しかないように、あまり知られていない自転車周りの交通ルールも見受けられる(【発表リリース:自転車に関する調査】)。



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今調査は2013年8月30日から9月4日にかけて10代から60代の男女に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比、10歳区切りの世代構成は均等割り当て。自前・家族兼用も合わせ自転車保有率は68.9%。

調査対象母集団全員(自転車非保有者も含む)に対し、自転車を利用する際の交通ルールで知っているものについて、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。


↑ 自転車利用の交通ルールで知っているもの(複数回答)

最多周知率は「夜間はライトを点灯しなければならない」で86.8%。次いで「飲酒運転は禁止」が81.7%、「二人乗りは原則禁止(同乗者が6歳未満の幼児を除く)」「原則として車道の左側通行をしなければならない」までか8割超えの周知率となっている。高めの値に見えるが、見方を変えれば1割強の人はこれらの交通ルールを知らないことになる。

昨今問題視された「ブレーキを装備していない自転車は道路での運行は不可」は72.3%、事故リスクが高いとされる「イヤホンで音楽を聴きながら、傘を差しながらの運転は禁止」は72.3%。後者については世間一般における普段の自転車運転の様子を見る限りでは、「禁止事項だと知っているものの、軽視してやってしまう」事例が多いものと思われる。

一方、「歩道を通行する際には車道寄りを徐行」は47.8%、「歩道でのベル使用は禁止」は37.3%でしかない。その周知率の低さに、驚く人も少なくあるまい。さらに「知っているものは無い」、つまり「これらの交通ルールは全部知らない」という人も4.8%、1/20近くは居る計算になる。

これを男女別に見たのが次のグラフだが、項目別に大きな違いは無い。


↑ 自転車利用の交通ルールで知っているもの(複数回答)(男女別)

あえて差異を見い出すとすれば、女性の方が全体的に多少ながらも周知率が高めなこと、特に日常生活での使用時に抵触しやすい問題(夜間ライト、二人乗り、子供へのヘルメット着用努力)の点で男性よりも高い値を示しているのが確認できる。一方、「歩道でのベル使用不可」は元々全体値も低いのだが、女性は男性と比べて5.9%ポイントも低いのが気になる。

自転車は自動車と比べると運転ハードルが低く、免許も要らない。つまり運転マナーや交通規則を能動的に知る機会が無い。自転車ならではの交通ルールを無視し、歩行の延長上のように考え、縦横無尽に走る姿も見受けられる。自転車を使う人は一度で良いので、公的機関などが提供している情報(わざわざお金を出さなくともインターネット上で山ほど用意されている)に目を通し、ルールを知り、遵守してほしいものだ。


追記:
自転車のベルについてだが、自転車は軽車両に属することから、道路交通法の規定が概して当てはまり、今件もそれに該当する。第54条「警音器の使用など」においては次のように定められている。

第54条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。

1.左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。

2.山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。

2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

例えば歩道上で「自転車の走行の邪魔になるから進路を譲れ」とばかりに、ベルを鳴らしまくる使い方はアウト(歩道上では歩行者が優先)。今件記事での選択肢「自転車は歩道でベルを鳴らしながら走行してはならない」はこれに該当する。危険防止のためにやむを得ず、あるいはベルの利用を義務付けられている場面で鳴らすことを意味していない。


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【自転車事故、交通事故全体に占める比率は2割を切る(2012年分反映版)】



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