他世代と大いに異なる男性20-30代のネット上情報のソースサイト
2013/09/10 15:45
電通グループの電通パブリックリレーションズは2013年9月6日に、インターネット上の情報流通構造に関する調査結果を発表した。それによると先の【SNSで拡散されやすいネタ元は友達のブログやツイート】でも解説した通り、「ソーシャルメディア上で」リンクを含めた情報を第三者にシェア(共有)した経験を有する調査対象母集団では、「友達のブログやSNS、ツイッターのツイート」がもっともシェアされやすいサイト(情報)だった。今回はその全体的な傾向とはやや動きを異にする、男性若年層にスポットライトを当てるする(【発表リリース:電通PRがインターネット上の「情報流通構造調査」の結果を発表】)。
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今調査の調査対象母集団の詳細については先行記事の「SNSで拡散されやすいネタ元は友達のブログやツイート」を参考のこと。その記事にもある通り、インターネット上でシェアされる対象となりやすいサイトは「友達のブログやSNS、ツイッター」で60.8%に達していた。
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)(再録)
これについて男性の20代・30代に限定して再集計したのが次のグラフ。それぞれ特異な動きを呈している(横軸の項目順は上のグラフに合わせてある)。
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)(男性20代)
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)(男性30代)
まず男性20代だが、「動画共有サイト」「ポータルサイト」「ニュースサイト・アプリ」がほぼ同数で横並び。自分の知り合いのブログやソーシャルメディア上の発言は、優先順位・重要度がかなり低い。感覚にダイレクトに訴えるマルチメディア情報や、一次情報足り得る各種法人系企業発のニュースをシェアする事例が多い。
そして友達・友達以外のブログやソーシャルメディアよりも、「まとめサイト」をよくシェアしているのが確認できる。立ち位置的には「企業発情報一次情報」と「ソーシャルメディア経由の二次情報」の中間程度。実際には編集側の意図が多分に混じった恣意的なまとめも少なくないため、二次情報に近い一次情報と表現すべきなのだが、一次半情報的な認識をして信頼し、シェアしているものと考えられる。
これが30代になると、「ニュースサイト・アプリ」の利用度がグンと高まりを見せると共に、ソーシャルメディア経由の情報シェア率も高くなる。回答者自身が追いかけているソーシャルメディア上のアカウントへの信頼度が上昇し、シェアするに値するとの認識が増加しているのだろう。しかし「友達のブログやSNS、ツイッター」は未だに順位の上では4位に留まっており、全体におけるトップからはかけ離れたポジションでしかない。
若年層で「動画共有サイト」や「まとめサイト」など、情報の精密性・正確度では決して高くない部類のサイトが高率でシェアされるのは、それが多分に「有益な、正しい情報の拡散」を意図しているのではなく、「面白い情報の共有」で一緒に楽しもう、さらにはそのような情報を広めることで、自らに注意感心を集めようとする考えによるものと思われる。実際、同調査の別項目にある「インターネットで拡散することのある情報の内容」において、「笑ってしまう面白い情報、ネタ」の項目では、若年層の方が一様に高い値を示しており、それが裏付けられる。
ちなみに若年女性層の場合は、全体結果との比較で順位に差は無いものの、個々の項目の回答値が高い結果が出ている。
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)(女性20代)
中でも一次情報では無く、ブログやソーシャルメディア経由の二次情報が、全体と比べて高めの値を示している。女性は一次ソースからの情報取得では無く、二次情報を介した「口コミ」が好きであり、それはネット上でも変わらない、ということだろう。
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